ADSLサービスが終了するのをきっかけに、楽天モバイルを固定回線として使おう!という点がクローズアップされています。
楽天モバイルは楽天自社回線エリアであれば月間無制限で使えて月額3,278円、ADSL並みの料金でADSLより速い固定回線を構築できるという期待があります。
こんな使い方をする前提として「楽天自社回線を確実に使う」「パートナー回線に切り替わらない」という使い方が必要になってきます。
そのための仕組みが「バンド3固定」です。
楽天モバイル自社回線の電波「バンド3」への接続を固定化し、パートナー回線(バンド18)につながらないようにすることで、確実に「使い放題で月額3,278円」を実現しよう、ということです。
この記事では楽天モバイルを固定回線として使う場合のおすすめルーターを厳選してご紹介しています。
楽天モバイル固定回線化におすすめのルーター
Rakuten Wi-Fi Pocket 2B(通称「パンダルーター」)
楽天モバイルを固定回線として使いたい!と思った時に、まずは回線契約と同時に純正モバイルルーター「Rakuten Wi-Fi Pocket 2B」をセット購入すべきです。
I-O DATA WN-CS300FR
楽天モバイルの固定回線化を目的としてバンド3固定を考えた場合に最も簡単にバンド固定できるのが「I-O DATA WN-CS300FR」です。
日本国内のキャリアにフル対応、プラチナバンドにもフル対応、楽天モバイルにも対応と多機能です。
それでいて、周波数帯(バンド)ごとに「利用する」「利用しない」を設定画面から簡単に設定できるのが特徴。
ただし、ルーター本来の性能としては2世代ほど前の旧型ルーターであることから、あまりおすすめはできません。
SONY AIホームゲートウェイ NCP-HG100
かなりマニアックなルーターになりますが、面白いルーターが「SONY NCP-HG100」です。
企業向けの大量一括販売のルーターなのですがなぜかアマゾンなどで単品販売、しかも4,000円程度と安くで販売されています。
ルーターとして多くの周波数帯に対応しており、かなりマニアックな方法によりバンドごとに「利用する」「利用しない」の設定ができます。
【イチオシ】Speed Wi-Fi HOME 5G L11
簡単に「Band3固定」「Band18も利用」などの設定ができて、かつルーター本来の性能も十分高性能でおすすめルーターが「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」です。
実はルーター単体で販売されているのではなく、WiMAX+5G用のホームルーターなのですがアマゾン・ヤフオク・メルカリなどで比較的安価に販売されています。
【新製品】ピクセラ(PIXELA) PIX-RT100 Wi-Fi
I-O DATA WN-CS300FRと同じように「簡単にバンド3固定ができるSIMフリー」ルーターの新製品が「ピクセラ(PIXELA) PIX-RT100 Wi-Fi」です。
機能的には「I-O DATA WN-CS300FR」と同じでルーター管理画面から使用バンドを選択することでバンド3固定が簡単にできます。
さらに「I-O DATA WN-CS300FR」の古いハードウェア仕様に対して、割と今風のハードウェアスペックである点がポイントです。
「I-O DATA WN-CS300FRが欲しいけどスペックが・・・」と悩んでいる方にはおオススメの新製品です。
【参考】Rakuten Turbo 5G
「参考出品」ということになりますが、実は楽天モバイルでもオリジナルのホームルーターを準備しているようです。
「Rakuten Turbo 5G」という機器名称ですでに技適を通過しており、「楽天純正!」「いつ発売?」といううわさも多くあります。
【参考】スマホでUSBテザリング、iPhoneも使える
これも「参考」となり、また「バンド固定」の機能ではありませんが、お手持ちのスマホを使って簡単に楽天モバイル回線を固定回線として使おう、というやり方のご紹介です。
楽天モバイル回線が使えるお手持ちのスマホ(AndroidやiPhone)やポケットWi-Fi(パンダルーターなど)をルーターにUSB接続してUSBテザリングで自宅固定回線として使うことができます。
ここまではよくある話しですが、ご紹介するのは「iPhone/iPadでもUSBテザリングできる」「たった1,000円程度で作れる」という高機能・低価格ルーターのご紹介です。
「買ってくる」のではなく「自分で作る」というルーターなので、USBテザリングに興味がある方は参考にしてみてください。
【入門用】まずは「Rakuten Wi-Fi Pocket 2B(通称パンダルーター)」
楽天モバイルが提供・販売しているポケットWi-Fiルーターが「Rakuten Wi-Fi Pocket 2B(通称パンダルーター)」です。
楽天モバイル回線をスマホで使うのではなく、モバイルルーターとして使おうという場合に使う製品であり、特長は「1円で買える」「そのうえ楽天ポイントが5,000ポイントもらえる」という点です。
また、楽天モバイルの回線契約自体が「3か月間無料」なので、楽天ポイントを5,000ポイントもらった上に3か月間無料お試しができる、という点が最大のメリットです。
Rakuten Wi-Fi Pocket 2B(通称パンダルーター)
基本はWi-Fi接続で使う(Wi-Fiテザリング)
Rakuten Wi-Fi Pocket 2BはWi-Fiルーターなので、基本的な使い方はWi-Fi接続して使います。
ご利用のスマホやパソコンなどをRakuten Wi-Fi Pocket 2BへWi-Fi接続して使う使い方です。
パソコンからUSB接続しても使える(USBテザリング)
また、Rakuten Wi-Fi Pocket 2Bには「USBテザリング」という機能も使えます。
パソコンとRakuten Wi-Fi Pocket 2BをUSBケーブルでつなぐことで、「Wi-Fiテザリング」ではなくUSB接続による「USBテザリング」での利用ができます。
一般的にはWi-FiテザリングよりもUSBテザリングの方が通信速度が速くなる傾向があります。
もちろん、USBテザリングとWi-Fiテザリングを同時に使うことも可能、ノートパソコンをUSBテザリングで使いながらスマホでWi-Fiテザリングを利用する、という使い方もできます。
トラベルルーターなどの利用で有線LANも使える
Rakuten Wi-Fi Pocket 2Bの「USBテザリング」機能を使ってLANポートに変換してくれる「トラベルルーター」などを使えば、本格的な有線LANポートを使った自宅内ネットワークも構築できます。
USBテザリングをLANポートに変換できるルーターはさまざまな製品が出ていますが、現在人気なのが通称「マンゴールーター」と呼ばれるトラベルルーターです。
このような製品を使ってUSBテザリングからLANポートに変換することで、あとは本格的に自宅内にWi-Fiルーターを導入して自宅内ネットワークを構築することができます。
お試し利用から本格的な自宅ネットワークまで使える
このように、Rakuten Wi-Fi Pocket 2Bは楽天回線契約と一緒に「1円で買える」「楽天ポイントが5,000ポイントもらえる」「回線契約も3か月間無料」というお得なキャンペーンで使うことができます。
そして、モバイルルーターとしての利用(Wi-Fiテザリング)からUSBテザリング、そしてトラベルルーターを使えば本格的な自宅内ネットワークの構築までできてしまいます。
自宅で楽天モバイルの自社回線が使えるのかどうか、の確認も無料でできます。
使えるとわかった場合の拡張性も十分です。
キャンペーン利用でこうなる
楽天モバイルで回線契約とRakuten Wi-Fi Pocket 2B購入をする場合、キャンペーン適用により費用面・契約面は以下のようになります。
初期費用 | 事務手数料 | 無料 |
---|---|---|
端末代金 | 1円 | |
月額費用 | ~1GB/月 | 0円/月 |
1GB/月~3GB/月 | 1,078円/月 | |
3GB/月~20GB/月 | 2,178円/月 | |
20GB/月~無制限 | 3,278円/月 | |
契約形態 | 契約期間 | 契約期間なし |
解約時 違約金 | 違約金なし | |
MNP転出 手数料 | 無料 | |
キャンペーン 特典 | ポイント還元 | 5,000ポイント ※楽天ポイント |
月額無料特典 | 3か月間の月額料金無料 |
初期費用・3か月間の月額費用・解約時費用はすべて無料です。
また、特典でもらった楽天ポイント5,000ポイントを使ってトラベルルーターやWi-Fiルーターなどを追加購入し、本格的な自宅ネットワークを構築するのもよいでしょう。
新型「Wi-Fi Pocket 2C」との違いは?
Rakuten Wi-Fi Pocket 2B(通称パンダルーター)の新型モデルとして「Rakuten Wi-Fi Pocket 2C」が発売されました。
従来モデルの「Wi-Fi Pocket 2B」も継続販売中です。
この両者は価格・性能・仕様・適用キャンペーンなどすべて同じ、違いはUSBポートの形状のみ、という内容です。
従来モデル「Rakuten Wi-Fi Pocket 2B」のUSBポートはUSB Type-Bです。
新型モデル「Rakuten Wi-Fi Pocket 2C」のUSBポートはUSB Type-Cです。
これ以外に違いはないため、使いたいUSBケーブルに合わせて選ぶとよいでしょう。
※製品にはUSBケーブルが添付されています。
【簡単設定】I-O DATA WN-CS300FR
I-O DATAが販売しているホームルーター「WN-CS300FR」は以下の周波数帯に対応、かつそれぞれの周波数帯を「利用する」「利用しない」と選択できることで「バンド3のみ利用する」という設定ができます。
フルキャリア対応、個別に固定可能
I-O DATA WN-CS300FRが対応している通信周波数帯は以下の通りです。
通信方式 | 周波数帯 |
---|---|
5G | 非対応 |
4G(LTE) | B1/3/8/18/19/26 |
特徴として国内の4キャリアのFD-LTEにはすべて対応、各社プラチナバンドにも対応、という対応周波数の広さが挙げられます。
楽天モバイルだと、楽天回線(バンド3)とパートナー回線(バンド18)に対応しています。
そして、WN-CS300FRの特徴は上記のバンドに対して個別に「利用する」「利用しない」を設定できる、という点です。
以下の設定画面より、バンド単位で「利用する」「利用しない」を設定できます。
バンド3だけを「利用する」それ以外は「利用しない」と設定すると、完全に楽天モバイル自社回線(バンド3)固定ルーターとなります。
性能的には3世代前、しかも高い!
簡単にバンド固定ができる「I-O DATA WN-CS300FR」ですが、性能面および価格面からコスパは非常に低いです。
通信 方式 | 5G | 非対応 |
---|---|---|
4G | B1/3/8/18/19/26 | |
Wi-Fi 規格 | IEEE802.11n/g/b | |
有線LAN 規格 | 10BASE-T 100BASE-T |
Wi-Fi規格はIEEE802.11nまでの対応、つまり2世代前の「Wi-Fi4」対応で通信速度は最大600Mbps。
これは10年前に規格になります。
また、有線LANポートも最大100Mbpsまでの対応であり、こちらも人世代前・・・
それでいて販売価格は1.5万円程度であり、コスパはよろしくないと言えます。
「簡単にバンド3固定ができる」というメリット以外は10年前の性能のルーターです。
【高性能ルーター】Speed Wi-Fi HOME 5G L11
KDDI系列のUQコミュニケーションズが提供している通信サービス「WiMAX+5G」向けのホームルーターが「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」です。
WiMAX+5G向けルーターとして回線契約とセットで販売されていますが、アマゾンやメルカリなどでルーターのみ購入することができます。
SIMフリールーターなので他社回線でも使える
Speed Wi-Fi HOME 5G L11はWiMAX+5Gサービス向けのホームルーターですが、SIMロックがかかっていないため対応周波数内においては他社の通信SIMでの利用が可能、もちろん楽天モバイルのSIMも認識します。
Speed Wi-Fi HOME 5G L11が対応する周波数帯は以下の通りです。
通信モード | 通信周波数帯 | |
---|---|---|
スタンダード モード | 5G通信 | n77 |
4G通信 | Band1 Band3 Band41 Band42 | |
プラスエリア モード | 5G通信 | n77 |
4G通信 | Band1 Band3 Band18 Band41 Band42 |
Speed Wi-Fi HOME 5G L11はWiMAX+5G向けのルーターであり、通信モードが「スタンダードモード」と「プラスエリアモード」があり、モードはルーター本体またはアプリで切り替えます。
上記の通り「スタンダートモードで実質バンド3(楽天エリア)固定」「プラスエリアモードならバンド3(楽天エリア)とバンド18(パートナーエリア)が使える」ということになります。
性能面、価格面でコスパが高い
Speed Wi-Fi HOME 5G L11はZTE製のホームルーターであり、最新Wi-Fi規格である「Wi-Fi6」にも対応、また電波の掴みも良好で非常に高性能なホームルーターです。
また、メルカリなどでは1万円程度で出品されていることから、コスパの高いホームルーターと言えます。
楽天モバイルを固定回線として利用する場合にベストなホームルーターと言えます。
楽天モバイルでの使い方(バンド3固定方法)
Speed Wi-Fi HOME 5G L11を楽天モバイルの固定回線として使う場合の設定は簡単です。
Speed Wi-Fi HOME 5G L11の管理画面から「楽天モバイルAPN登録 ⇒ 通信モード変更」を行うだけです。
楽天モバイルAPN(アクセスポイント情報)の登録
Speed Wi-Fi HOME 5G L11の管理画面から楽天モバイルのAPN(アクセスポイント情報)を登録します。
上記のAPN新規設定画面から以下のAPN情報を登録します。
IPタイプ | 「IPv4 & IPv6」を選択 |
---|---|
プロファイル名 | 任意 ※「rakutenbb」など |
APN(接続先情報) | rakuten.jp |
認証方式 | 「CHAP/PAP」選択 |
ユーザー名 | なし ※入力しない |
パスワード | なし ※入力しない |
以上で楽天モバイルへ接続できるようになります。
通信モード変更(バンド3固定)
楽天モバイルへ接続できるようになったら次は通信モードの設定(バンド3固定)を行います。
上記の「通信モード」設定画面から「スタンダードモード」を設定します。
※「スタンダードモード」と「プラスエリアモード」が選べる
通信モード設定 | 「スタンダードモード」を選択 |
---|---|
プラスエリアモード制限 | 「有効」を選択 |
以上で通信で使うバンドをバンド3固定(バンド18の排除)することができます。
通信モード「スタンダードモード」は設定不要かも
上記の「通信モードをスタンダードモード」へ変更することでバンド3固定(バンド18の排除)となります。
「スタンダードモードはバンド3で通信」となり「プラスエリアモードはバンド3/バンド18で通信」となります。
なので「楽天モバイル自社回線のみ利用ならスタンダードモード」「パートナー回線も利用するならプラスエリアモード」という設定になります。
なお、Speed Wi-Fi HOME 5G L11の設定初期値は「スタンダードモード」なので本体初期化などにより最初から通信モードが「スタンダードモード」になっています。
楽天ダメならWiMAX +5Gへ月額3,355円で乗り換えろ!
楽天モバイルの固定回線利用がうまくいかなかった場合、とっとと解約してWiMAX +5Gを試してみることをおすすめします。
Speed Wi-Fi HOME 5G L11は本来WiMAX +5G専用ルーターなのでWiMAX +5Gの通信サービスを契約すればそのままWiMAX +5Gで活用することができます。
「縛りなし・SIMのみ契約」で月額3,355円の「BIGLOBE WiMAX +5G」
WiMAX +5Gのプロバイダーのひとつ「BIGLOBE」ではWiMAX +5Gとしては珍しく「SIMのみ(通信サービスのみ)契約」ができます(端末購入不要)。
しかも通信サービスのみで月額3,355円/月で「使い放題」「契約縛りなし(違約金なし)」です。
BIGLOBE WiMAX +5Gの月額3,355円は楽天モバイルの月額3,278円とたったの77円しか違いません。
楽天モバイル固定回線化計画がうまくいかなくても、Speed Wi-Fi HOME 5G L11を持っていれば月額3,355円でWiMAX +5Gを試してみることができます。
【マニアック!?】SONY AIホームゲートウェイ NCP-HG100
一般の方にはまったくおすすめではありませんが、面白いルーターとして「SONY NCP-HG100」というルーターがあります。
このルーターもネット上では「バンド3固定できるルーター」として話題になっています。
SONYが提供するスマートホームシステム「MANOMA」の中核を担うLTEモジュール搭載のWi-Fiルーターで、提携企業向けに一括大量販売している製品なのですが、なぜかアマゾンなどで単品購入できてしまいます(しかも安い!)。
この「SONY NCP-HG100」は制御プログラムがオープンソースのルーター向けOSである「OpenWrt」で構築されており、LINUXベースのコマンド操作およびATコマンドによりあらゆる設定変更ができてしまう優れものです。
SONY NCP-HG100製品仕様
まずはNCP-HG100の製品仕様(スペック)を見てみましょう。
製品名 | NCP-HG100/Cellularモデル |
---|---|
外形寸法 | 高さ45mm×幅135mm×奥行135mm |
質量 | 約457g |
最大消費電力 | 30W |
定格電力/電圧 | 2.5A/12V/AC100V |
動作環境 | 温度:5~35°C/湿度:10~90% |
有線LAN | 100BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T WAN/LAN各1ポート |
無線LAN | 802.11ac/a/b/g/n 2×2MIMO |
IoTインターフェース | Bluetooth v4.2準拠 Z-Wave922-926MHz(日本) |
モバイル ネットワーク | 3G B1(2.1GHz)/B6(800MHz)/ B8(900MHz)/B19(800MHz) |
4G LTE B1(2.1GHz)/B3(1.7GHz)/ B8(900MHz)/B19(800MHz)/ B21(1.5GHz)/B28(700MHz)/ B41(2.5GHz) |
LTEモジュールとWANポート搭載
LTEモジュールとWANポートを搭載しているので、楽天モバイルなどのSIMを使ったLTEルーターとしての動作および通常のPPPoE対応ルーターとして利用することができます。
また、設定により二重化(併用)することもできるので、LTE通信を光回線のバックアップとして使う、などの使い方もできます。
※一般人はやらないと思いますが、面白いですね
LTEフルキャリア対応、プラチナバンド全対応
LTEモジュールを見ると、国内のほぼすべての周波数帯に対応しています。
また、ドコモ・KDDI・ソフトバンクのプラチナバンドにも対応しています。
もちろんSIMフリールーターなので、国内キャリアのSIMを利用することでどのキャリアでも安定した通信を行うことができます。
ギガ対応LANポート
今時当然と言えば当然ですが、LANポートはギガビット対応です。
ポートは1口ですがスイッチングハブを利用することでポート数は増やすことができ、自宅内でデスクトップPCや家電(録画機など)を有線接続して高速な自宅内ネットワークを構築することができます。
Wi-Fi6非対応
SONY NCP-HG100は2018年モデルであり、現時点で最新のWi-Fi規格「Wi-Fi6」には非対応です。
一世代前の「IEEE802.11ac(Wi-Fi5)」までの対応ですが、まぁ十分な性能を提供してくれます。
NCP-HG100のおすすめポイント
楽天モバイル固定回線化の話しはちょっと置いておいて・・・・
NCP-HG100は非常に面白いルーターです。
まず、ハードウェア的には比較的最近の規格に沿った高性能ルーターであり、さらにLTEモジュールとWANポートによるデュアルWAN(WAN側二重化)が構築できるルーターです。
さらにソフトウェア的にもオープンソースの「OpenWrt」を採用しており、LINUXベースの知識があれば完全にハードウェア制御を行うことができます。
つまり、ハードウェア仕様・ソフトウェア仕様の中において自由にシステム構築できるルーター、ということになります。
これらの特徴を活用し、楽天モバイルのパートナー回線であるバンド18を「利用しない」と設定することで実質的にバンド3固定することができます。
NCP-HG100のおすすめでないポイント
一方で、これらの特徴を最大限に生かすためにはハードウェア知識およびソフトウェア知識が必要となります。
本来の目的である「スマートホーム」関連の設定は簡単なウェブ画面で設定することができますが、バンド固定などの特徴的な操作はすべてコンソールからのコマンド操作となります。
しかもコンソールを利用するためには基盤工作が必要であり相当なハードウェア知識が必要、さらに基盤工作に失敗するとハードウェアが故障してしまう、というリスクもあります。
これらの点から、NCP-HG100は非常に面白い高性能ルーターですが、一般人にとってはあまりに敷居が高いルーターである、とも言えます。
この道のプロでない限り、NCP-HG100を使って楽天モバイルを固定回線化することはおすすめできません。
設定(固定化)済の出品もある
その道のプロと思われる人が「バンド3固定」に設定済のNCP-HG100をヤフオクなどで出品しています。
すでにバンド3固定設定済であることに加え、出品価格も6,000円~7,000円程度、と比較的安く出品されている点も魅力です。
多くの人には自分で設定(バンド3固定)することはおすすめできませんが、設定済ルーターを購入(落札)するのはアリだと思います。
ヤフオクなどで「NCP-HG100 固定」などで検索してみてください。
【参考】楽天モバイル純正ホームルーター「Rakuten Turbo 5G」
楽天モバイルでは2020年に「Rakuten Turbo 5G」というホームルーターが日本国内の技適を通過しています。
楽天モバイルはRakuten BIG/Rakuten handsなどのオリジナルスマホを販売していますが、オリジナルのホームルーターも販売されるのでは?と予想されます。
Rakuten Turbo 5Gの基本仕様
技適情報によると「Rakuten Turbo 5G」の基本仕様は以下の通りです。
Product Name | Rakuten Turbo 5G | |
---|---|---|
Brand Name | Nokia | |
Model Name | RCPN01 | |
Type Emission | D1A,D1B,D1C,D1D,D1E,D1F,D1X,D7W, G1A,G1B,G1C,G1D,G1E,G1F,G1X,G7W | |
Channel Spacing | 100kHz | |
Support Band / 3GPP Band | □700M Band | □Band28 |
□800M Band | □Band5 □Band18 □Band19 □Band26 | |
□900M Band | □Band8 | |
□1.5G Band | □Band11 □Band21 | |
■1.7G Band | ■Band3 □Band9 | |
□2.0G Band | □Band1 | |
Frequency Range (Number of Channels) | Band3 5MHz BW:1712.5MHz~1782.5MHz(701 channels) 10MHz BW:1715.0MHz~1780.0MHz(651 channels) 15MHz BW:1717.5MHz~1777.5MHz(601 channels) 20MHz BW:1720.0MHz~1775.0MHz(551 channels) | |
Declaration RF Output Power | Band3: 200mW(23dBm) | |
Power Source | ■ Commercial power AC 100~240V | |
■ External Power Source DC 12V,4.0A | ||
□ Lithium battery DC 3.7V | ||
□ UM battery DC 1.2V |
バンド3対応、パートナーエリア非対応
Rakuten Turbo 5Gは技適通貨時点ではバンド3(楽天回線)のみ対応、バンド18(パートナー回線)非対応です。
つまり、現状の仕様であれば全国に楽天回線エリアが広がり、パートナー回線によるローミングが終了した後に発売される?と思われますが、現状では全国でのパートナー回線終了は2026年を予定しています。
これらのことから、楽天モバイルのオリジナルホームルーター「Rakuten Turbo 5G」の発売はまだまだ先なのか?というところです。
早ければ2022年3月以降に発売か?
そもそもこの「Rakuten Turbo 5G」は技適を通過している(認証を受けている)という状態であり、発売されるかどうかわかりません。
そのうえで個人的な見解として「早ければ2022年3月以降に発売か?」と思っています。
2022年3月には多くのエリアでKDDIローミング終了
KDDIは楽天モバイル向けに提供しているローミング(つまりパートナーエリア)を、楽天自社回線エリアの拡大状況に合わせて縮小していきます。
そして、現在の予定では多くのエリアで「2022年3月末までに順次ローミング終了予定」となっています。
これはKDDIが公開している楽天モバイル向けのローミング情報に記載されています。
楽天自社回線エリア限定で販売(してくれないかな?・・・)
これが予定通り進めば、2022年3月には多くのエリアで「楽天モバイル自社回線(バンド3)のみ」となり、その地域限定で「Turbo 5G」の提供を開始するのでは?と期待しています。
実際、ソフトバンクが提供しているホームルーターサービス「Softbank Air」も自宅がエリア内であってもソフトバンク判断により契約できないエリアも多くあります。
楽天モバイルもローミング(パートナーエリア)が終了したエリアを対象として「Rakuten Turbo 5G」を販売していくことは十分あるのでは?と思っています。
【新製品】ピクセラ(PIXELA) PIX-RT100 Wi-Fi
簡単にバンド固定できる「I-O DATA WN-CS300FR」と似たようなホームルーター、それでいて「I-O DATA WN-CS300FR」より断然おすすめなのが新製品の「ピクセラ(PIXELA) PIX-RT100 Wi-Fi」です。
SIMフリールーターで管理画面から簡単に使用する周波数帯(バンド)を選択することができるので、簡単に楽天モバイル自社回線(Band3)に固定することができます。
これに加えて(当然といえば当然ですが)LANポートはギガ対応という点が「I-O DATA WN-CS300FR」からの進歩です。またWi-Fiも802.11ac(Wi-Fi5)までの対応と進歩しています。
どうやってバンド固定する?
「ピクセラ(PIXELA) PIX-RT100 Wi-Fi」は「I-O DATA WN-CS300FR」と同じように管理画面から使用するバンドを選択します。
選択できるバンドは「B1/B3/B8/B18/B19」となり、「キャリア共通のB1/B3」と「各キャリアのプラチナバンド」にのみ対応している、という感じです。
まぁ、国内利用においては十分ですね。
「ピクセラ(PIXELA) PIX-RT100 Wi-Fi」の基本仕様
「新品ルーター」「SIMフリー」「バンド固定できる」という点においては本品「ピクセラ(PIXELA) PIX-RT100 Wi-Fi」か「I-O DATA WN-CS300FR」の二者択一となります。
両者の基本仕様を比較してみます。
製品名 | ピクセラ PIX-RT100 | I-O DATA WN-CS300FR |
---|---|---|
対応バンド ※4G | B1/3/8/18/19 | B1/3/6/8/18/19/26 |
Wi-Fi規格 | IEEE802.11a/b/g/n/ac | IEEE802.11n/g/b |
有線LAN規格 | 10BASE-T 100BASE-T 1000BASE-T | 10BASE-T 100BASE-T |
Band3固定 | 可能 WEB管理画面からBand3チェック | |
販売価格 | 15,800円程度 | 13,000円程度 |
両者のどちらかを選ぶ・・・という点においては「ピクセラ(PIXELA) PIX-RT100 Wi-Fi」ということになりますね。
【参考】バンド固定じゃないけどスマホで簡単USBテザリング
楽天モバイル回線をスマホで使っている方は簡単に固定回線としてルーター利用する方法があります。
※バンド固定はスマホ側でやってください。
楽天モバイル回線のスマホ(Android/パンダルータ/iPhoneなど)をルーターにUSBケーブルで接続してUSBテザリングで利用する方法です。
USBテザリングができるルーターは?
国内製のルーターではUSBテザリングは(たぶん)できません。
国内製ルーターでUSBポートがついているものは「ネットワークストレージ」などの独自機能で使うためのUSBポートになります。
一方、ASUS製ルーターやTP-Link製のルーターでUSBポートがついているものはUSBテザリングの機能が使える機種があります。
ただし、これらのルーターではiPhone/iPadなどのiOSデバイスでのUSBテザリングはできません。
iOSでUSBテザリングを使うための仕組み
オープンソースの「OpenWRT」というルーター向けファームウェアを使うとUSBポート付きのルーターがあっという間に「(Androidはもちろんのこと)iOSでもUSBテザリングができる」という高性能ルーターに変身します。
これをOpenWRTルーターといいます。
OpenWRTルーターの実態は「中古のルーターを安く買ってくる」「OpenWRTファームウェアをインストールする」というものです。
現在でも十分活用できる高性能ルーターがOpenWRTファームウェアで「iOSでもUSBテザリングができるルーター」に変身します。
約1,000円程度で作れるので、楽天モバイル回線をUSBテザリングで固定回線化したい、という人はぜひチャレンジしてみてください。
マニアックルーター「NCP-HG100」と同じ仕組み
上記の記事で紹介している「OpenWRT」というルーター向けファームウェアは本記事で紹介している「マニアックルーター」「SONY AIホームゲートウェイ NCP-HG100」でも採用されているルーター向けファームウェアです。
つまり、上記のご紹介記事はたった1,000円程度で「SONY NCP-HG100」のようなルーターを作ってみよう!という記事になります。
楽天モバイル固定化の条件、そもそもバンド3固定って必要?
この記事では楽天モバイルを自宅の固定回線として使うことを前提として「バンド3固定できるルーター」の情報をまとめてきました。
そもそも、楽天モバイルを自宅の固定回線として使う場合、「バンド3固定」は必要なのか?というと、答えは「ノー」です。
「楽天自社回線とパートナー回線が混在するエリアにおいてはバンド3固定が必要」ということになります。
楽天モバイルを固定回線化して使う条件
楽天モバイルを自宅の固定回線として使う場合の最大の条件は「楽天自社回線(バンド3)で通信できること」です。
パートナー回線では月間の高速通信が5GB/月までであり、5GB/月超過後の通信速度は1Mbpsに制限されてしまいます。
これでは固定回線としては使い物になりません。
「月間データ通信量の上限なし」「速度制限なし」の使い方ができる「楽天自社回線エリア(バンド3)で通信できる」は絶対条件と言えます。
楽天モバイルの複雑なエリア
楽天モバイルは自社回線エリアでカバーできないエリアをKDDIから借りた電波(パートナー回線)でサービス提供しています。
つまり、楽天モバイルのサービスエリアには大きく以下の3つがあります。
楽天モバイルエリア | 自社回線のみのエリア |
---|---|
自社回線とパートナー回線が混在したエリア | |
パートナー回線のみのエリア |
自社回線のみのエリア
東京都内(23区内)などではすでにKDDIローミング(パートナーエリア)は終了しており、このエリアにおいては楽天自社回線(バンド3)しか使えません。
このため、「自社回線のみのエリア」ではバンド3固定など必要ありません。
自社回線とパートナー回線が混在したエリア
このエリアが面倒です。
自社回線(バンド3)の電波はあるものの、スマホやルーターは電波状態の良いほうに接続するため、多くの場合にはパートナー回線につながります。
この状況において、パートナー回線ではなく楽天自社回線の電波を強制的に使うために「バンド3固定」が必要となります。
パートナー回線のみのエリア
パートナー回線のみのエリアは現時点では楽天モバイルを固定回線として使うのは厳しいですね。
月間5GB/月であり、5GB/月超過後は通信速度が1Mbpsに制限されるからです。
このエリアの方は、もうしばらく待ってみましょう。
楽天モバイル自社回線エリアは非常に速いスピードで拡大しており、そう遠くない時期に楽天モバイル自社回線エリアになると思われます。
楽天モバイルサービスエリアの確認方法
このように、楽天モバイルを固定回線として使いたい場合には、まず自宅が上記3エリアのどれになるのかを確認する必要があります。
一番簡単なのは「楽天モバイルを完全無料でパンダルーターで契約する」ことで実際に試してみることです。
しかし、それ以前におおまかに自分のエリアを確認する方法があります。
楽天モバイルエリアマップで確認する
まず基本は楽天モバイルのエリアマップで自宅のエリア状況を確認することです。
上図は楽天モバイルサービスエリア(関東地区)です。
濃いピンクのエリアは「自社回線エリア」、薄いピンクのエリアは「パートナーエリア」です。
このエリアマップでわからないのは「自社回線エリアとパートナーエリアの混在」がわかりません。
混在エリアもすべて「自社回線エリア」として表記されているからです。
しかし、このエリアマップで「楽天自社回線が使えるのか?」「パートナー回線しか使えないのか?」は分かります。
つまり、濃いピンクのエリアであれば「楽天回線は使える」「パートナー回線にもつながるかもしれない」ということになります。
KDDIローミングマップでパートナーエリアを確認する
KDDIでは楽天モバイル向けのローミング(パートナーエリア)情報を公開しています。
上手はKDDIが楽天モバイル向けローミング(パートナーエリア)を提供しているエリアマップです。
オレンジ色のエリアがローミング提供エリアであり、それ以外ではローミングを提供していません。
このエリアマップをみると、見事に23区内ではKDDIローミングは行われていない(ローミング終了している)ことがわかります。
楽天モバイルのエリアマップでは「自社回線エリア」であり、KDDIローミングマップでは「ローミング外」となり、東京23区内は自社回線のみということがわかるわけです。
また、エリアマップだけでなく都道府県ごとにローミングの提供エリアそしてローミング終了予定までも公開しています。
上記は宮城県におけるKDDIローミング情報ですが、多くのエリアで「2022年3月までに順次終了予定」と公開されています。
これらの情報をみることで、パートナーエリアであるかどうか、が詳しくわかります。
楽天モバイルエリアマップで「楽天自社回線エリア」であり、かつ「KDDIローミングエリアではない」という場合はそのエリアは楽天自社回線(バンド3)のみのエリアとなります。
「楽天自社回線エリア」であり、かつ「KDDIローミングエリア」であれば、楽天自社回線とパートナー回線が混在したエリアとなります。
このように、自宅を「楽天モバイルエリアマップ」と「KDDIローミングエリアマップ」を重ねてみることで、「自宅が自社回線とパートナー回線の混在エリアかどうか」を知ることができます。
自社回線のみのエリアならバンド3固定は不要
楽天モバイルを固定回線として使う場合、自宅が「自社回線のみのエリア」であればバンド3固定する必要はありません。
そもそも、その地域にはパートナーエリアがない(すでに終了している)からです。
一方で、「自社回線とパートナー回線が混在するエリア」であれば、バンド3固定する仕組みが必要となります。
KDDIローミングは順次終了なので終了予定にも注意
そして、現時点で「自社回線とパートナー回線が混在するエリア」であったとしても、KDDIローミング(パートナー回線)は楽天自社回線エリアの拡大に伴って順次ローミング終了していきます。
このKDDIローミング終了予定も上記KDDIのホームページで公開されています。
ご自宅のローミング終了状況を確認することで、ちょっと待てばローミング終了する(バンド3固定不要となる)かもしれません。
バンド3固定が不要なエリアなら選択肢も広がる
このように、自宅が楽天自社回線のみのエリアであれば、またはもう少し待てばKDDIローミングが終了するエリアであれば、バンド3固定の仕組みは不要となります。
バンド3固定の仕組みが不要であれば、ホームルーターの選択肢も大きく広がります。
たとえば、本記事でご紹介した「SONY NCP-HG100」というルーターはバンド3固定するためにはかなり専門的な知識を必要とすることからおすすめではありませんが、バンド3固定が不要であれば約3,000円程度で購入できる高性能ルーターとして非常におすすめとなります。