USBテザリングができるルーターを使えばスマホ回線を簡単に自宅のネット回線として使用することができます。
外出先でも自宅でもスマホの回線を使うことができれば通信費が節約できます。
また、複数の格安SIMの固定回線化を検討したい場合でも簡単にスマホを繋ぎ変えて試してみることができます。
「たった1,000円で作れるOpenWRTルーター」を使えば市販ルーターでは不可能(たぶん)なiPhone/iPadのUSBテザリングも利用できるようになります。
この記事では楽天モバイル回線のiPhoneを利用してOpenWRTルーターでUSBテザリングする環境を構築してみます。
楽天モバイルを固定回線として使う方法
楽天モバイル自社回線がしっかりつかめること
楽天モバイルを固定回線利用する場合に限りませんが、モバイル回線を固定回線利用する場合に大事なことは「自宅で電波がしっかりつかめること」です。
この点において楽天モバイルは発展途上といえます。
使い放題の楽天自社回線と、全国を広くカバーするパートナー回線が混在した環境においてはパートナー回線でつながった場合に「使い放題」ができません。
楽天モバイルでは自社回線のエリア拡大に合わせて順次パートナー回線の停止を行っています。
自宅の電波状況の確認方法については以下の記事を参考にしてみてください。
ベストな環境は「自宅で楽天自社回線がしっかりつかめる」「パートナー回線はすでに停止している」という環境になります。
楽天モバイル自社回線に固定する仕組み
現在は日本国内の多くのエリアが自社回線とパートナー回線の混在したエリアです。
このエリア内で楽天モバイル回線を固定回線として使う場合に必要な仕組みが「楽天回線に固定できる仕組み」です。
楽天回線とパートナー回線が混在していても端末(ルーター側)で自社回線のみに接続できれば、楽天モバイル回線を使い放題で利用することができます。
楽天モバイル自社回線に固定できるルーターの情報は以下の記事を参考にしてみてください。
スマホでもUSBテザリングで固定回線化
スマホ回線を本格的に自宅固定回線として使いたい場合はホームルーターを利用するのが良いでしょう。
安定したAC電源によりスマホやポケットWi-Fiよりもしっかりと電波をつかめることが期待できます。
またスマホやポケットWi-Fiのようにバッテリーを気にする必要がなくなります。
しかし、「ちょっとやってみたい」「外出先でもスマホで使いたい」「古いスマホを持っている」という場合に簡単にスマホ回線を自宅で使うならUSBテザリングがおすすめです。
USBケーブルでつなぐだけ
USBテザリングならスマホ・ポケットWi-FiをルーターとUSBケーブルでつなぐだけでネット利用ができるようになります。
「ルーターはあるけど別途ホームルーターを買いたくない」とか「古いスマホを使うのでバッテリー劣化は気にしない」という方にはUSBテザリングがおすすめです。
またUSBテザリングなら外出先でも自宅でもネット回線をスマホに一本化して使いやすくなります。
ルーターの対応状況に注意
USBポートがあるルーターはたくさんありますが、そのほとんどはハードディスクなどをつなげてNAS(ネットワークディスク)として使う使い方です。
スマホやポケットWi-FiをUSBテザリングで回線として使えるルーターはあまり多くありません。
ASUS製ルーターやTP-Link製ルーターなど海外製の一部ルーターのみがUSBテザリングできます。
この点において、USBテザリングができるルーター選びが大切になってきます。
スマホの回線をルーターで利用する(USBテザリング)
USBテザリングの仕組み
USBテザリングとはネット回線につながっているスマホやポケットWi-Fiを自宅ルーターとUSBケーブル接続するだけでスマホの回線をルーターでも使えるようになる仕組みです。
ネットにつながっているスマホ・ポケットWi-Fi、自宅のルーター(USBテザリング対応)、そしてUSBケーブルがあれば簡単に自宅の固定回線環境が作れてしまいます。
USBテザリングのメリットは?
USBテザリングは簡単にUSBケーブルで接続するだけで回線を確保できる、というメリットがあります。
通信辞退はスマホに任せるので接続先や接続状況はいつも使っているスマホで設定・確認ができます。
そしてその通信環境をUSBケーブルでルーターと接続するだけで固定回線のできあがり、となります。
この簡単さがUSBテザリングのメリットであり、「外出先でも自宅でもスマホで通信」「複数の通信(SIM)を使い分けたい」など気軽な利用ができるのが最大のメリットです。
USBテザリングのデメリットは?
USBテザリングはスマホやポケットWi-FiとUSB接続してその回線を利用する形態です。
一般的にルーターからはUSBポートを通じて給電されているのでスマホやポケットWi-Fiは常に充電しながらの利用となります。
この点において、バッテリー劣化が心配されます。
USBテザリングが使えるルーターは?
「自宅固定回線環境をUSBテザリングで作る」と言っても、実はUSBテザリングができる市販ルーターは多くありません。
ルーターにUSBポートがあってもハードディスクをつなげるためのポートになっています。
国内メーカー製のルーターではほぼUSBテザリングが使えず、ASUSUやTP-Linkなどの海外製(中国製・台湾製)ルーターがUSBテザリング機能を持っています。
USBテザリング可能な市販ルーターをいくつかをご紹介します。
ASUS製ルーター
ASUS製ルーターは非常に多機能で国内製ルーターにはないさまざまな機能があり、いろいろ遊べるルーターです。
USBポートを持つルーターであればUSBテザリングの機能が使えます。
ただし、市販ルーター全般に言えることですがスマホとの相性問題も多く、またiPhone/iPadでのUSBテザリングは使えません。
OpenWRTインストール済のトラベルルーター
通称「マンゴールーター」として人気のトラベルルーター「GL-MT300N」は万能ファームウェア「OpenWRT」で作られた小型ルーターです。
スマホ・ポケットWi-FiとのUSBテザリングはもちろんのこと、追加モジュールをインストール・設定することでiPhone/iPadでのUSBテザリングも利用できます。
デメリットは小型化のためかハードウェア性能が低く、LANポートの通信速度は100Mbpsだったり新しいWi-Fi規格に対応していなかったり、という残念なポイントがあります。
ASUS RT-AX56UでUSBテザリングしてみる
手持ちのASUS製ルーター「RT-AX56U」でUSBテザリング(楽天モバイル回線)を試してみました。
やってみたルーターは以下のものになります。
今から購入するならちょっと値段が高くなりますが以下の新型ルーターが発売されています。
ルーターで「USBテザリング」設定
ASUS RT-AX56Uの管理画面からUSBテザリングの設定を行ってみます。
ASUS製ルーター管理画面のトップメニュー
ASUS RT-AX56UというかASUS製ルーターのトップ画面は以下のようになっていてルーターを中心としてネットワークの環境がきれいに表現されていてなかなかかっこ良いです。
USBアプリケーションの設定
トップ画面のサイドメニューから「USBアプリケーション」を選択し、「3G/4G」を選びます。
「WANタイプ」をUSBに設定することでUSBインターフェースを使ってインターネット接続、という設定になります。
また「デバイスの種類」として「USBモデム」と「Androidスマートフォン」が選べますが、「Androidスマートフォン」を選びます。
※「USBモデム」はUSBドングルタイプのモデムになります。
Androidスマホの接続
ここからスマホ側でUSBテザリングの設定を行い、スマホとルーターをUSBケーブルで接続します。
今回はちょっと古いですが「OPPO R17 Neo」を使っています。
スマホ画面で「USBテザリング」を設定し、ルーターとUSBケーブルで接続します。
するとルーター側でUSBモデムとして認識し、スマホのネット回線を使ってインターネット接続ができるようになりました。
楽天モバイルのUSBテザリングで速度測定やってみる
楽天モバイル回線のUSBテザリングで速度測定をやってみました。
ん~、我が家の楽天モバイル環境はあまりよくないみたいです。だけどADSLやWiMAXなどと比べると結構良い品質でしょうか?
これくらいの速度が出るなら自宅固定回線としても十分使えるのではないでしょうか?
iPhoneを接続してみる
同様の手順でiPhone(iPhone SE 第二世代)をASUS RT-AX56UにUSB接続してもルーター側がUSBモデムとして認識しません。
また、iPhone側もよくある「このコンピューターを信頼しますか?」のメッセージがでてきません。
iPhone/iPadのUSBテザリングはできない
先述のようにASUS製ルーターやTP-Link製ルーターはUSBテザリングが利用可能ですが、どちらもiPhone/iPadのUSBテザリングはできません。
相性問題などではなく、iOS13あたりからiOS側の仕様が変更されたことでルーター(Linux)からUSBデバイスとして認識できなくなりました。
つまり一般的な仕組みでiPhone/iPadをUSBテザリングで使えないのはルーター側の仕様や相性問題ではなく、iOS側の独自仕様による問題だと言えます。
iOS端末でUSBテザリングができるのは(たぶん)OpenWRTルーターだけです。
スマホ回線をUSBテザリングで使うならAndroidスマホ
このように市販ルーターでも標準でUSBテザリング機能を持ったルーターがあります。
とくにASUS製ルーターやTP-Link製ルーターはその他の機能も豊富でおすすめです。
※ただしフレッツ光回線で主流の「IPv4 over IPv6」対応が遅れているので光回線用のルーターとしてはむつかしい選択です。
しかし先述したようにiOSは独自の通信仕様となっていることからこれら市販ルーターのUSBテザリング機能では接続することができません。
楽天モバイル回線などをUSBテザリングで固定回線として使いたいならAnddroidスマホを用意しておきましょう。
iPhoneでUSBテザリングならOpenWRTルーターを使う
iOSは現在は独自の通信仕様となっていて標準的なUSBデバイスとして認識されないことから、一般的な市販ルーターではUSBテザリングができません。
この対処としておすすめなのがOpenWRTルーターを使う、というやり方です。
OpenWRTルーターなら拡張モジュールをインストールすることでiOSの独自通信仕様にも対応できます。
OpenWRTルーターって何?
OpenWRTとはGPLライセンスに基づき開発・配布されているルーター機器向けのファームウェアです。
GPLライセンスに基づいているので「誰でも無料で自己責任で自由に使用・再配布ができる」ルーターファームウェアです。
OpenWRTは自社開発のルーターにインストールされて販売されているものもあるし、対応の市販ルーターに自分でインストールしてOpenWRTルーターを作ることもできます。
OpenWRTインストール済の市販ルーター
通称「マンゴールーター」として人気のトラベルルーター「GL-MT300N」は「OpenWRT」で作られた小型ルーターです。
スマホ・ポケットWi-FiとのUSBテザリングはもちろんのこと、追加モジュールをインストール・設定することでiPhone/iPadでのUSBテザリングも利用できます。
デメリットは小型化のためかハードウェア性能が低く、LANポートの通信速度は100Mbpsだったり新しいWi-Fi規格に対応していなかったり、という残念なポイントがあります。
また、小型化はそのままにハードウェアスペックを強化した上位版もあります。
これらの製品はすでにOpenWRTがインストールされているので、すぐにスマホでUSBテザリングが利用できるし、追加モジュールの設定によりiPhoneのUSBテザリングも利用できるようになります。
自分でどうやって作るの?
OpenWRTはさまざまな市販ルーター向けに開発・カスタマイズして配布されています。
わざわざ市販品を買わなくても手持ちのルーターや中古品のルーターにOpenWRTをインストールすればOpenWRTルーターの出来上がりです。
ただ一つの問題点はインストール方法です。
OpenWRTルーターのインストールは対象とするルーターによって異なり、簡単にオリジナル画面からのファームウェアアップデートとしてインストールできるものから、本体を開封(いわゆる殻割)して電子工作しなければインストールできないものまでさまざまです。
「インストールが簡単」「中古品で安い」「設定や使い方の情報が豊富」な旧型ルーターを中古品で買ってOpenWRTをインストールすると、1,000円程度でかなり遊べるOpenWRTルーターが出来上がります。
iPhoneでUSBテザリングするならOpenWRTルーター
iPhoneのUSBテザリング機能を使って楽天モバイル回線を自宅固定回線として使う場合、OpenWRTルーターがおすすめ(というか必要)です。
OpenWRTルーターは買ってくることもできるし、自分で作ることもできます。
手持ちのルーターや市販の中古品ルーターにOpenWRTファームウェアをインストールすることで簡単にそして安くOpenWRTルーターを作成することができます。

OpenWRTルーターの作り方
OpenWRTとはGPLライセンスに基づいて開発・配布されているルーター向けファームウェアになります。
GPLライセンスなので「誰でも自己責任で無料で利用・再配布ができる」という位置づけのファームウェア(ソフトウェア)です。
このOpenWRTファームウェアを市販品のルーターにインストールしたものをOpenWRTルーターといいます。
OpenWRTファームウェアとは?
OpenWRTファームウェアはGPLライセンスに基づいて開発・配布されているルーター向けファームウェアです。
多くの市販ルーターに対応しておりルーターごとにカスタマイズされて配布されているので、対応している市販ルーターを入手してダウンロード(無料)したOpenWRTファームウェアをインストールすることでOpenWRTルーターを作成します。
中国メーカなどが自社ハードウェアにOpenWRTをインストールした独自製品を発売しているので、お金を出してOpenWRTルーターを購入することもできます。
ただしそれらのルーターよりもハードウェア的に高性能な環境が1,000円程度で作れてしまうので、一般的には「旧型ルーターを安く中古で購入してOpenWRtをインストール」するのが良いです。
OpenWRT対応ルーターは?
OpenWRTは非常に多くの市販ルーターに対応しており、そのモデルごとにインストール可能な状態で配布されています。
インストール可能な市販ルーターはOpenWRTプロジェクト公式サイトで確認することができます。
おすすめの対応ルーターは「WZR-HP-AG300H」
はじめてOpenWRTルーターを作る・使ってみる場合におすすめの市販ルーターはバッファローの「WZR-HP-AG300H」です。
発売からすでに10年以上経っていますが、発売当時のバッファローのフラッグシップモデルであり現在でも見劣りしないハードウェア性能です(USBポートもあります)。
世界中で大ヒットした製品なので古くからOpenWRTでの利用実績が多く、日本国内でもOpenWRT関連情報が一番多いルーターです。
WZR-HP-AG300Hはどうやって入手できる?
WZR-HP-AG300Hはすでに発売から10年以上経過しており同型番を新品購入することはできませんが同じハードウェア仕様の後継機種が購入可能です。
ただし、WZR-HP-AG30Hは大ヒット商品であることから市場流通量も大きく、程度の良いものが安くで購入できます。
メルカリでの購入がおすすめで、だいたい1,000円程度を目安に程度の良さそうなものを購入するのがポイントです。
- 現在でも十分使えるハードウェア性能
- OpenWRT化の情報が豊富
- OpenWRTのインストールが簡単
- 1,000円程度で購入できる
OpenWRTルーターの作り方は?
WZR-HP-AG300HにOpenWRTファームウェアをインストールしてみます。
WZR-HP-AG300Hであれば通常のファームウェア更新と同じ手順でOpenWRTファームウェアを読み込ませるだけでOpenWRTがインストールされます。
- STEP1ファームウェアダウンロード
OpenWRT公式サイトからWZR-HP-AG300H用のOpenWRTファームウェアをダウンロードします。 - STEP2OpenWRTファームウェアで更新
WZR-HP-AG300Hのオリジナル管理画面(トップ画面)から「ファームウェアを更新する」を選びます。 - STEP3OpenWRTファームウェアの指定
インストールするOpenWRTファームウェアを以下のように指定します。更新方法 「ローカルファイル指定」を選択する ファームウェアファイル名 ダウンロード済のOpenWRTファームウェアを指定する 設定 ファイル名を指定したら「設定」押下 - STEP4ファームウェア更新
「設定」ボタン押下により、ファームウェア(OpenWRTファームウェア)のインストールが開始されます。進捗のインジケーターが「100%」になるまでじっと待ちます。
OpenWRTファームウェアのインストールが完了すると自動的にルーターが再起動します。
- STEP5OpenWRT管理画面「LuCI」の起動
以上でOpenWRTファームウェアのインストールが完了です。
ルーターの再起動後に「192.168.1.1」にアクセスするとOpenWRTルーターの管理画面「LuCI」が表示されます。
以上で「WZR-HP-AG300H」のOpenWRT化(OpenWRTインストール)は完了です。
WZR-HP-AG300Hであればオリジナル機能のファームウェアアップデートと同じ手順でOpenWRTファームウェアを読み込ませるだけでインストールが完了します。
この簡単さがWZR-HP-AG300HにOpenWRTをインストールするメリットです。
iPhone/iPad用の設定の仕方は?
OpenWRTでiPhone/iPadのUSBテザリングを利用する場合は最初にiOS用の通信モジュールインストールおよび通信インターフェース定義が必要となります。
簡単なのでやってみます。
- STEP1iOS用通信モジュールのインストール
OpenWRT管理画面「LuCI」のソフトウェア管理画面から以下の4つのモジュールをインストールします。
インストールするモジュール- kmod-usb-net-ipheth
- usbmuxd
- libimobiledevice
- usbutils
- STEP2iOS用通信インターフェースの定義
メニュー「Network > Interfaces」でインターフェース定義画面へ遷移します。
ネットワークインターフェースの新規作成ボタン「Add new Interface」をクリックします。
以下のようにインターフェースを定義します。
Name お好きな名前を付けてください
※「iOS」とかProtocol 「DHCP client」を選択 Device 一覧から「Ethernet Adapter “eth2”」を選択
※もし表示されない場合はUSBケーブル確認設定したら「Save」ボタンクリック。
「Firewall Settings」タブ画面からファイアウォールゾーンを定義します。
Create/Assign Firewall-zone 一覧から「wan」を選びます 設定したら「Save」ボタンクリック。
以上でUSBテザリング(iOS)用のインターフェース定義は完了ですが、現在はまだ保留状態になっています。
この保留状態を反映させるために画面下の「Save&Apply」ボタンをクリック。
以上でUSBテザリング(iOS)設定が完了しました。
以上のモジュールインストールとインターフェース定義は最初に一回だけやってしまえば良いです。
あとは使いたいときにiPhone/iPadをUSBケーブルでOpenWRTルーターに接続すればiPhone/iPadの回線をUSBテザリングで利用できるようになります。
Android/ポケットWi-Fi用のUSBテザリング設定
ついでに標準的なUSBテザリング設定もやっておきましょう。
この設定によりAndroidスマホやパンダルーターなどのポケットWi-FiもOpenWRTルーターでUSBテザリングが使えるようになります。
- STEP1USB通信モジュールのインストール
OpenWRT管理画面「LuCI」のソフトウェア管理画面から以下の5つのモジュールをインストールします。
インストールするモジュール- kmod-usb-net
- kmod-usb-net-rndis
- kmod-usb-net-cdc-ether
- usbutils
- udev
- STEP2USB用通信インターフェースの定義
メニュー「Network > Interfaces」でインターフェース定義画面へ遷移します。
ネットワークインターフェースの新規作成ボタン「Add new Interface」をクリックします。
以下のようにインターフェースを定義します。
Name お好きな名前を付けてください
※「USB」とかProtocol 「DHCP client」を選択 Device 一覧から「Ethernet Adapter “usb0”」を選択
※もし表示されない場合はUSBケーブル確認設定したら「Save」ボタンクリック。
「Firewall Settings」タブ画面からファイアウォールゾーンを定義します。
Create/Assign Firewall-zone 一覧から「wan」を選びます 設定したら「Save」ボタンクリック。
以上でUSBテザリング用のインターフェース定義は完了ですが、現在はまだ保留状態になっています。
この保留状態を反映させるために画面下の「Save&Apply」ボタンをクリック。
以上でUSBテザリング設定が完了しました。
以上でUSBテザリング設定が完了しました。
あとはいつでもAndroidスマホ/ポケットWi-FiをUSBケーブルで接続すればUSBテザリングを利用することができます。
OpenWRTルーターのメリットとデメリット
メリット① USBテザリングができる(iOS対応)
OpenWRTを使えば簡単にUSBテザリングが使えるようになります。
市販のルーターでもASUS製やTP-Link製ではUSBテザリングが利用可能ですがスマホとの相性問題が多いようです(特にシャープ製?)。
またこれら市販ルーターではiPhone/iPadでのUSBテザリングはできません(これはiOS側の仕様の問題)。
OpenWRTなら情報次第で多くのパラメーター調整ができるので相性問題にも対応できます。
またiPhone/iPad用のUSBテザリング用モジュールも開発されているのでiOSデバイスでもUSBテザリングが利用可能です。
※iPhone/iPadでUSBテザリングするなら選択肢はOpenWRTルーターとなります。
メリット② Wi-Fiテザリングもできる(WWAN)
OpenWRTルーターはスマホとUSB接続して使うだけでなく、Wi-Fi接続して使うこともできます(Wi-Fiテザリング)。
USBケーブルでスマホとOpenWRTルーターを接続しなくてもWi-Fi設定だけでスマホとOpenWRTルーターを接続してスマホ回線を利用する仕組みが作れます。
メリット③ いろんな回線インターフェースが作れる
スマホ回線利用とは関係ありませんが、OpenWRTルーターならどんな回線にも対応できます。
光回線プロバイダーが独自提供している「DS-Lite」や「v6プラス」といった「IPv4 over IPv6」の仕組みに対してもすべて対応することができます。
OpenWRTルーターならプロバイダー乗り換えの時に対応ルーターで悩む必要がなくなります。
デュアルWANもできる
2つの光回線を同時に使って回線二重化(デュアルWAN)環境も構築できます。
USBテザリング機能と合わせれば固定回線(WANポート)とスマホ(USB接続)での回線二重化や回線切り替えもできます。
メリット④ 広告ブロックもできる
通信機能とは直接関係ありませんが広告ブロックの仕組みをルーター内に持つことができます。
「広告は見にくくて邪魔!」という以外にデータ通信容量を消費する(特に動画広告)という問題があります。
OpenWRTルーターを使えば静止画広告・動画広告を広告ブロックすることができるのでデータ通信容量を節約することができます。
特にマイネオ(mineo)などの低速通信をうまく使って固定回線化する場合において有効な機能になります。
メリット⑥ なんでもできる
これら以外でもいろんなことができます。
OpenWRTはさまざまな機能がモジュールとして提供されており専用画面から簡単にモジュールインストールして機能拡張することができます。
追加モジュールはOpenWRTプロジェクトが公式に開発しているものに加えて、世界中の有志が開発したものがGitHubにアップされています。
たとえば現在人気のVPNサービス「Tailscale」のモジュールも開発されており、簡単にOpenWRTルーターをtailscaleのサブネットとして登録することもできます。
デメリット① すべて自己責任(メーカー保証なし)
OpenWRTは市販ルーターのファームウェアを入れ替えることで構築します。
このためファームウェアをOpenWRTに入れ替えた時点でメーカーの保証対象外となります。
デメリット② 情報収集が必要
OpenWRTは世界中で使われており開発プロジェクトの活動も活発ですが、日本語の情報があまり多くありません。
公式サイトをはじめとして多くの情報がありますが、情報収集にはそれなりの努力が必要です。
日本国内で利用者が多いルーターを使おう
OpenWRTはさまざまな市販ルーターに対応しているので、一番利用されているルーターを使うのが情報収集の早道です。
日本での利用者が多くネット上でもっとも情報が多いのが「バッファローWZR-HP-AG300H」です。
OpenWRTの入門用としてWZR-HP-AG300Hから始めてみることをおすすめします。
デメリット③ 最新ルーターでは使えない
OpenWRTは多くの市販ルーターに対応していますが、個々のルーター向けにカスタマイズされて配布されます。
このため発売されたばかりの最新型ルーターでは発売直後にOpenWRTで利用することができません。
ちょっと古い旧型で全く問題ありません
ルーターに限らず家電製品は市場での価格低下を避けるため非常に短い間隔で新製品を投入していますが、製品そのものはあまり変化しません。
OpenWRTはハードウェアの性能をすべて使うことができるファームウェアなので、新製品が出てもハードウェア性能が大きく変わらなければ旧型製品とあまり変わりません。
OpenWRTは「ちょっと古い旧型ルーターを安く買って使うもの」と考えるとよいですね。
まとめ、楽天モバイル固定化はUSBテザリングおすすめ
楽天モバイルやドコモの5Gギガホプレミアムをご利用ならスマホ回線をパソコンなどで使った場合のテザリング通信容量に制限がありません。
※au/ソフトバンクはテザリング時30GB制限あり
楽天モバイルや5Gギガホプレミアムなら自宅の固定回線としても使えるし、自宅固定回線として使うならUSBテザリングができる環境があればとても便利です。
楽天モバイルをスマホで固定回線化するメリット
楽天モバイルやドコモの5Gギガホプレミアムはスマホ以外での利用(テザリング利用)でも通信容量の制限がありません。
また、格安SIMのマイネオ(mineo)などは低速通信と高速通信をうまく使い分けることでスマホを安く使う仕組みがあります。
スマホの回線を自宅の固定回線として使うメリットは「安さ」です。
通信費が安くできる(かも)
楽天モバイル回線を自宅固定回線として使うことで月額3,278円の固定回線が出来上がりです。
光回線やホームルーターなどと比較して、この月額3,278円は破格の安さです。
安定性・高速性は自宅・自室の電波環境次第ですが条件が良ければホームルーター並みの感染環境がたったの月額3,278円でできてしまいます。
外出先でも自宅でも回線一本化
さらにスマホ回線を自宅でも使うことができれば外出先(スマホ)と自宅(光回線・ホームルーターなど)の回線をスマホに一本化することも検討できます。
楽天モバイルやドコモの5Gギガホプレミアムならテザリング利用した場合でも通信容量の制限がありません。
一人暮らしならスマホがあれば自宅の固定回線は不要になるかもしれません。
簡単にやってみるならUSBテザリング
楽天モバイルをはじめとしたモバイル回線を自宅回線としても使いたいならUSBテザリングが便利です。
スマホとルーターをUSBケーブルで接続するだけで、通常の固定回線/ホームルーターなどと同じようにネット回線として使えるようになります。
注意点としてはUSBテザリングができるルーターでもスマホとの相性があって利用できなかったり、特にiPhone/iPadのUSBテザリングに対応していない、という点があります。
一家に一台「OpenWRTルーター」のすすめ
そしてスマホのUSBテザリングを使ってみたいならおすすめするルーターはOpenWRTです。
OpenWRTならAndroidスマホやポケットWi-Fi・パンダルーターなどに加えて、通常のルーターではできないiPhone/iPadでのUSBテザリングも利用可能となります。
OpenWRTルーターは市販のルーターにはない万能型ルーターです。
OpenWRTがインストールされたルーター製品も販売されていますが、おすすめは中古品のルーターを買ってきてOpenWRTをインストールすることです。
わずか1,000円程度で万能ルーターOpenWRtルーターが作れてしまいます。
USBテザリングだけでなく、ネット回線でいろいろ遊びたいならOpenWRTルーターはぜひ持っておきたいアイテムです。