フレッツ光の世界で一般的となったMAP-eやDS-LiteなどのIPv4 over IPv6通信では、その仕組み上「ポート開放ができない/困難」「インターネットから自宅へ接続できない」などの制限があります。
これはMAP-eやDS-Liteなどが「枯渇しているIPv4アドレスを節約する」ことを目的として設計されているため、節約された(複数人で共有された)IPv4アドレスでは制限がでるからです。
多くの人はMAP-eやDS-Liteなどでも問題はありません、しかしインターネットの使い方として一部の人にはこの「不完全なIPv4アドレス」では利用上の不都合が出てしまいます。
この問題を解決してくれるのがプロバイダーが提供している「固定IPv4アドレス」サービスです。
本記事では高速通信「IPv4 over IPv6」の環境下でも、従来のIPv4通信サービスを完全に利用できる「固定IPv4アドレス」を利用できるプロバイダーを紹介・比較していきます。
IPv4 over IPv6で固定IPv4アドレスを使う!?
「安い」「速い」で人気のNURO光が2024年に入ってから従来の「IPv4/IPv6デュアルスタック通信方式」から「MAP-e通信方式」へ移行しており、利用者の中には混乱もあるようです。
これはサービス改悪などというより、IPv4アドレスの枯渇問題がある中で、NURO光も利用者増加によりいよいよIPv4アドレスの在庫がなくなってきたということでしょう。
従来の「IPv4/PPPoE」や「IPv4/IPv6デュアルスタック」では利用者ごとに1個のIPv4アドレスを付与しますが、IPv4アドレス在庫がなくなるとサービス提供ができなくなってしまいます。
MAP-eやDS-Liteなどの「IPv4 over IPv6」は「IPv4アドレスを節約する」「ゆるやかにIPv4通信からIPv6通信へ移行する」ために仕組みであり、世界中の通信サービスがやがてこのような「IPv4アドレスを節約できる仕組み」へ移行していくのは必然だと言えます。
一方で、従来方式からMAP-eやDS-Liteなど「IPv4アドレスを節約する仕組み」へ移行することで、利用者の中には「今まで使っていた通信サービスが使えなくなる」という問題もあります。
IPv4 over IPv6(MAP-e/DS-Lite)の必要性
フレッツ光の世界ではもはやMAP-eやDS-Liteなどの「IPv4 over IPv6」通信方式は一般的となっています。
また、NURO光でも2024年に入ってから従来の「IPv4/IPv6デュアルスタック方式からMAP-e方式へ移行」が進められています。
これらはすべて「IPv4アドレスの枯渇」に対する施策であり、MAP-eやDS-Liteなどの本来の目的は「IPv4アドレスの節約」であり「ゆるやかにIPv4通信からIPv6通信へ移行する仕組み」です。
現在は「IPv4/PPPoE」方式は「IPv4/IPv6デュアルスタック」方式で提供している通信サービスも、やがては(IPv4アドレスの枯渇・在庫切れにより)これら「IPv4アドレスを節約できる仕組み」へ移行していくことは規定路線だと思われます。
IPv4 over IPv6の不便な点、困る人は?
通信方式がMAP-eやDS-Liteになっても、多くの人には問題がありません。
「ウェブサイト閲覧」「動画視聴」などのダウンロードを中心とした使い方をしている人には何の影響もありません。
しかし、「外出先(インターネット側)から自宅のサーバーやサービスを利用している」「特定ポートの解放/転送設定をしている」という方にとっては、MAP-eやDS-Liteはちょっと面倒な仕組みとなります。
これはMAP-eやDS-Liteが「IPv4アドレスを節約する仕組み」であることが原因です。
MAP-eでの問題点
フレッツ光回線の世界ではMAP-e方式は「v6プラス」や「OCNバーチャルコネクト」というサービス商品名で提供されています。
これらMAP-eの仕組みは「1個のIPv4アドレスを複数人(256人程度?)で共有する」ことでIPv4アドレス(グローバルIP)を節約します。
通常、1個のIPv4アドレスには0番から65534番までの全65535個の通信ポートが付随していますが、MAP-eはIPv4アドレスを複数人で共有するためこの全65535個のポートを共有人数で分割して付与します。
この時、「自分は〇〇番ポートが欲しい」という要求はできないし、VNEのメンテナンスにより付与されるポート番号が変更になる場合があります。
そして、自分のルーター(ONU)に割り当てられたポート番号以外は利用できません。
DS-Liteでの問題点
フレッツ光の世界ではDS-Lite方式は「Transix」や「クロスパス」などのサービス商品で提供されています。
DS-Liteの仕組みは「自宅ルーターにはプロバイダー内でのみ利用可能なプライベートIPv4を割り当てる」「グローバルIPv4との変換(NAT)はVNE側で行う」という仕組みによりIPv4アドレス(グローバル)を節約します。
このため、見かけ上は自宅ルーターに「1個のIPv4アドレスと全65535個の通信ポート」が割り当てられますが、すべて(IPアドレスもポート番号も)VNE側で変換(NAT)されます。
よって、自宅ルーターにポート開放/転送の設定を行っても機能しません。
多くの人は無問題!困る人だけ「固定IPv4アドレス」
MAP-eやDS-Liteなどの「IPv4 over IPv6」通信方式では自宅ルーター(ONU)に「完全なIPv4アドレスが割り当てられない」ということです。
「完全なIPv4アドレス」とは「1個のIPv4グローバルアドレス」「0番から65534番までの全65535個の通信ポート」が割り当てられる、ということです。
- 1個のIPv4アドレス(グローバル)が割り当てられる
- 0番~65534番までの全65535個の通信ポートが割り当てられる
そして、MAP-eやDS-Liteなど「IPv4アドレスを節約する仕組み」においては、この「完全なIPv4アドレスが割り当てられない」という点において、一部の方(使い方)に不都合が生じます。
- 1個のIPv4グローバルアドレスが割り当てられない
⇒ MAP-eでは複数人で共有する
⇒ DS-LiteではプライベートIPアドレスが付与される - 0番~65534番までの全65535個の通信ポートが割り当てられない
⇒ MAP-eでは共有人数で全65535個を分割し付与される(一部のみ)
⇒ DS-LiteではVNE側でポート変換(NAPT)される
つまり、MAP-eやDS-Liteの問題は?
このように、従来からの通信方式である「IPv4/PPPoE」や「IPv4/IPv6デュアルスタック」からMAP-eやDS-Liteへ移行する場合の仕組み上の違いや問題点として「IPv4の通信ポートが自由にならない」ということになります。
世の中が完全にIPv6に移行すればIPv6でポートを自由自在に扱えるのですが、IPv4からIPv6への移行期である現時点ではまだまだ世の中の多くのサービスがIPv4で成立しています。
そして、そのIPv4通信において「通信ポートが自由にならない」というのがMAP-eやDS-Liteの問題点です。
MAP-eやDS-Liteで問題ない人は?
「ウェブサイトを閲覧する」「動画を視聴する」など、ダウンロードを中心とした使い方をする場合においては、MAP-eやDS-Liteで何の問題もありません。
自宅ルーター(ONU)に付与されるIPv4アドレスは完全なIPv4アドレスではありませんが、それはMAP-eやDS-Liteの仕組みの中でうまく変換(NAT/NAPT)してくれるからです。
MAP-eやDS-Liteで問題が発生する人は?
「外出先から自宅サーバーへ接続する」「使いたいサービス(ゲームなど)において特定ポートの解放/転送が必要」という場合、MAP-eやDS-Liteでは問題が発生する場合があります。
まず、MAP-eでもDS-Liteでも自宅に完全なIPv4アドレスが付与されないため、IPv4アドレスを使って外部(インターネット)から自宅へ接続することはできません。
また、「特定ポートの解放/転送」についても、そのポート番号が自宅ルーター(ONU)に付与されていない場合には転送/解放設定はできません。
さらに「Well-knownポート」にも注意
0番から65534番までの全65535個の通信ポートのうち、0番~1023番はWell-knownポートとして特別な通信用に予約されています。
そして、MAP-eやDS-LiteではこのWell-knownポートは付与されません。
このため、Well-knownポートを利用する特定の通信プロトコルはMAP-eやDS-Liteでは動作しません。
たとえばテレワークなどで利用するVPNの「L2TP/IPSec」などです。
通信ポートを自由に操りたい人だけが「固定IPv4アドレス」を使う時代
フレッツ光の世界ではすでにMAP-eやDS-Liteが導入されて10年が経過しています。
そして今、先述のように「通信ポートを自由に設定したい」という場合においてはMAP-eやDS-Liteに加えて「固定IPv4アドレスを使う」という使い方・解決策が主流となっています。
通信方式の基本はMAP-eやDS-Liteといった「IPv4アドレスを節約できる仕組み」でありながら、必要な人は「完全なIPv4アドレスが使える固定IPv4アドレスサービス」を使う、という使い方です。
ここからは、MAP-eやDS-Liteを基本としながらも、「固定IPv4アドレス」が使えるプロバイダーサービスについて説明していきます。
最安のフレッツ光コラボ「enひかり/enひかりクロス」
MAP-eやDS-Liteなどの高速通信「IPv4 over IPv6」の環境において、もっとも簡単・手軽にそしてかなり安く固定IPv4アドレスを使える通信サービスが「enひかり」「enひかりクロス」です。
「enひかり」はフレッツ光ネクスト回線を使ったコラボサービス、「enひかりクロス」はフレッツ光クロス(10ギガ)回線を使ったコラボサービスです。
回線サービスと接続サービスがセットで契約・利用でき、さらに(おそらく)最安で固定IPv4アドレスが使える点が魅力です。
「enひかり(1ギガコース)」の料金プランと特徴
enひかりは「最安級の月額料金」「縛りのない契約形態」で人気のフレッツ光コラボです。
それだけではなく、早くから通信サービスにおいても独自性を見せており「高速通信が選べる」「固定IPアドレスオプションも使える」という他社プロバイダーではあまりない独自のサービスが魅力です。
enひかり(1ギガコース)の料金体系・契約形態は以下のようになります。
enひかり(1Gプラン) | |||
---|---|---|---|
戸建てプラン | マンションプラン | ||
初期費用 | 契約事務手数料 | 2,200円(転用・事業者変更) 3,300円(新規) |
|
新規回線工事費 | ~16,500円 ※「新規」のみ ※「転用・事業者変更」の場合は工事不要 |
||
固定IPオプション 初期費用 |
2,200円 ※回線契約時なら無料 |
||
月額費用 | 基本料金 | 4,620円/月 | 3,520円/月 |
IPv6オプション | 198円/月 ※v6プラス/Transix/クロスパス |
||
固定IPオプション(IPv4) | 770円/月 ※v6プラス固定IP/クロスパス固定IP |
||
ホームゲートウェイ レンタル |
220円/月(無線機能なし) 330円/月(無線機能あり) ※希望者のみ ※v6プラス固定IP/クロスパス固定IP対応 |
||
割引 特典 |
勝手に割り | 月額110円/月の基本料金割引 ※UQモバイル利用者 ※ahamo利用者 ※LINEMO利用者 |
|
ルーター大特価販売 |
|
||
契約形態 | 契約期間 | 契約縛りなし | |
解約時違約金等 | 解約時違約金等なし |
enひかりでは標準の通信方式として「IPv4/PPPoE」が提供されますが、enひかり申し込み時に高速通信「IPv4 over IPv6」をオプション契約することができます。
独自性として、「v6プラス(MAP-e)」「Transix(DS-Lite)」「クロスパス(DS-Lite)」の中からお好きなオプションを選ぶことができます。
※特に選択の理由がない場合には「v6プラス(MAP-e)」を選ぶとよいでしょう。
さらに「v6プラス」「クロスパス」を選択した場合には「固定IPv4アドレスオプション」も追加オプション契約することができます。
※Transixでは固定IPアドレスは提供されません。
「enひかり(1ギガコース)」で固定IPv4アドレスを使う
enひかり(1ギガコース)でMAP-eおよびMAP-e向けの固定IPv4アドレスを使う場合の説明をします。
料金について
まず、enひかりでMAP-e(v6プラス)と固定IPv4アドレスを使うためにはそれぞれをオプション契約する必要があります。
必須オプション | 初期費用 | 月額費用 | 備考 |
---|---|---|---|
高速通信オプション | 2,200円 | 198円/月 | 以下から好きなのが選べる
|
固定IPアドレス オプション |
2,200円 | 770円/月 |
高速通信サービスとして「v6プラス」「Transix」「クロスパス」が選べますがTransixは固定IPv4アドレスが利用できません。
一般的には「v6プラス(MAP-e)」を選ぶとよいでしょう。
また、高速通信オプションおよび固定IPv4アドレスオプションの初期費用2,200円は、通信サービス(enひかり)の契約と同時にオプション申し込みすると無料となります。
「enひかりクロス(10ギガコース)」の料金プランと特徴
enひかりではフレッツ光クロス(10ギガ回線サービス)を使った「enひかりクロス」を提供しています。
1ギガコースの「enひかり」と同様に「最安級の月額料金」「縛りなしの契約」に加えて現在フレッツ光クロス回線の新規引き込み工事費も無料となるキャンペーン実施中です。
「enひかりクロス(10ギガコース)」の料金体系・契約形態は以下のようになります。
enひかりクロス(10Gプラン) | |||
---|---|---|---|
戸建てプラン | マンションプラン | ||
初期費用 | 契約事務手数料 | 2,200円(転用・事業者変更) 3,300円(新規) |
|
新規回線工事費 | ~16,500円 ※「転用・事業者変更」でも工事必要 ※現在「工事費無料キャンペーン」にて無料 |
||
固定IPオプション 初期費用 |
2,200円 ※回線契約時なら無料 |
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月額費用 | 基本料金 | 4,917円/月 | 4,917円/月 |
IPv6オプション | 0円/月(基本料金に含む) ※v6プラス/クロスパス |
||
固定IPオプション(IPv4) | 770円/月 ※v6プラス固定IP/クロスパス固定IP |
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ホームゲートウェイ レンタル ※XG-100NE |
550円/月(無線機能あり) ※希望者のみ ※v6プラス固定IP/クロスパス固定IP対応 |
||
割引 特典 |
勝手に割り | 月額110円/月の基本料金割引 ※UQモバイル利用者 ※ahamo利用者 ※LINEMO利用者 |
|
ルーター大特価販売 |
|
||
契約形態 | 契約期間 | 契約縛りなし | |
解約時違約金等 | 解約時違約金等なし |
1ギガコースの「enひかり」とのサービス面における違いとして、高速通信「IPv4 over IPv6」は標準サービスとして提供される、という点があります。
enひかりクロスでは高速通信サービスとして「v6プラス(MAP-e)」「クロスパス(DS-Lite)」のどちらかお好きな方を選ぶことができますが、これらは標準サービスとして(無料で)提供されます。
また、enひかりと同様に「v6プラス固定IPアドレスオプション」「クロスパス固定IPアドレスオプション」もオプション提供(770円/月)されます。
「enひかりクロス(10ギガコース)」で固定IPv4アドレスを使う
enひかりクロス(10ギガコース)でMAP-eおよびMAP-e向けの固定IPv4アドレスを使う場合の説明をします。
料金について
まず、enひかりクロスでMAP-e(v6プラス)と固定IPv4アドレスを使うためにはそれぞれをオプション契約する必要があります。
必須オプション | 初期費用 | 月額費用 | 備考 |
---|---|---|---|
高速通信オプション | 2,200円 | 0円/月(無料) ※基本料金に含まれる |
以下から好きなのが選べる
|
固定IPアドレス オプション |
2,200円 | 770円/月 |
高速通信サービスとして「v6プラス」「クロスパス」が選べますが、どちらを選んでも月額料金は無料(標準サービス)です。
一般的には「v6プラス(MAP-e)」を選ぶとよいでしょう。
また、高速通信オプションおよび固定IPv4アドレスオプションの初期費用2,200円は、通信サービス(enひかり)の契約と同時にオプション申し込みすると無料となります。
固定IPアドレス対応ルーター大特価キャンペーン
v6プラス(MAP-e)やクロスパス(DS-Lite)の固定IPv4アドレスオプションを利用するためには、それぞれに対応したルーターが必要です。
実は「v6プラス固定IP対応/クロスパス固定IPv4対応」かつ「通信速度10GbE対応」のルーターはあまり選択肢がありません。
無難な選択としてはフレッツ光ではおなじみの「ホームゲートウェイ(HGW)」をレンタルすることです。
※1ギガ用220円/月、10ギガ用550円/月
また、光電話をご利用の場合にはホームゲートウェイが必須機器としてレンタルされるので、そのホームゲートウェイが「固定IPv4アドレス対応ルーター」となります。
また、ご自分でルーターを購入したい場合には、enひかりクロスが実施中の「ルーター大特価キャンペーン」を利用して安く購入することもできます。
enひかりクロス工事費無料キャンペーン
現在enひかりクロスでは新規でのフレッツ光クロス回線を引き込むための工事費が無料となるキャンペーンを実施中です。
NURO光からの乗り換えだとフレッツ光回線を新規引き込みとなりますが、もし自宅・自室がフレッツ光クロスの対応エリアであれば、基本料金はenひかり(1ギガコース)よりもちょっと高くなりますが工事費が無料になる特典を考慮すると「enひかりクロス(10ギガコース)」も検討してみてはどうでしょうか?
なぜかスマホセット割引「勝手に割り」
enひかり/enひかりクロスは株式会社縁人が提供するサービスであり、株式会社縁人は大手通信事業者との資本関係はありません。
しかし、なぜかスマホセット割引「勝手に割り」が提供されます。
格安スマホプランの「ahamo」「UQモバイル」「povo1.0/2.0」をご利用であれば、enひかり/enひかりクロスの月額基本料金から110円が割引されます。
割引額が110円であり対象回線が1回線までとなりますが、もともと安い月額料金からさらに110円の割引となるのでお得度高い割引サービスです。
どうして勝手に割引してんの?
NTTドコモともKDDI(au)とも資本関係のない株式会社縁人がどうして勝手にスマホ割引サービスを提供してるの?と思うわけですが・・・
もともと株式会社縁人は光回線や携帯電話の販売代理店としての業務からスタートした会社であり、その関係から「勝手に割り」を始めたらしいです。
また、X(旧ツイッター)でも話題となっていますが「お中元」として契約者全員へ毎年「そうめん」が送られてくることでも有名であり、まぁ、いろいろと面白い会社ですね。
enひかりで固定IPv4アドレスを使う
フレッツ光やNURO光だけでなく、世の中のインターネット通信サービスでは従来の通信方式から新しい(IPv4アドレスを節約できる)通信方式へ移行していきます。
世界中でIPv4アドレスが枯渇しており、このままではインターネット上のサービスが使えなくなってしまいます。
そのため、余裕のあるIPv6アドレスによる通信サービスへの移行は必然的なものです。
フレッツ光はすでにMAP-eやDS-Liteなどの「IPv4 over IPv6」通信方式によるIPv4アドレスの節約が主流となっており、今回のNURO光のMAP-e移行もフレッツ光が辿ってきた道と同じことが起きています。
そして、フレッツ光の世界ではすでに「必要な人だけが固定IPv4アドレスを使う」という使い方へと移ってきています。
その環境が安く・簡単に手に入るのがenひかりです。
enひかりで固定IPv4アドレスを使う
enひかりは個人向けの光回線サービスとして固定IPv4アドレスを提供している数少ないプロバイダーです。
しかもフレッツ光コラボ最安級の月額料金や契約縛りなしの契約形態など基本的な通信サービスとしての魅力も大きなサービスです。
「enひかりで固定IPv4アドレスを使う」という点において、enひかりの提供するサービスに加えて固定IPv4対応ルーターの選び方や設定に関する説明は以下の記事を参考にしてみてください。
また、enひかりのフレッツ光コラボとしての基本的なサービス・魅力については以下の記事でまとめているので、こちらも参考にしてみてください。
速度制限なしのプロバイダー「かもめインターネット」
かもめインターネットは1996年からインターネット接続サービス(ISP事業)を提供している日本のインターネット関連企業です。
ある程度の年齢の方にとってはなつかしいプロバイダー名になりますね。
そのかもめインターネット社が「v6プラスコース(1ギガ)」「v6プラスXコース(10ギガ)」というサービス名でIPv4 over IPv6(MAP-e方式)の接続サービスを提供、上位VNEはJPIX(旧JPNE)であり通信方式はv6プラスがベースとなります。
「v6プラスコース(1ギガコース)」の料金プランと契約形態
かもめインターネットではMAP-e(v6プラス)による接続サービスを「v6プラスコース」として提供しています。
注意点として、接続サービスのみの提供であり回線サービス(フレッツ光回線)は別途NTT東西との契約が必要となります。
「v6プラスコース」の料金体系・契約形態は以下のようになっています。
費用・契約項目 | かもめインターネット「v6プラスサービス(1ギガ)」 ※マンション/戸建て |
|
---|---|---|
初期費用 | 契約事務手数料 | 無料 |
新規回線工事費 | 別途NTT東西へ支払う | |
月額費用 | 基本料金 ※接続サービスのみ |
2,191円/月 ※最大2か月間無料 |
固定IPv4アドレス ※レンタルIPオプション |
1,320円/月 ※グローバルIPv4アドレス(固定)1個 ※初期費用1,100円必要 |
|
フレッツ光回線 基本料金 |
別途NTT東西へ支払う | |
契約形態 | 契約期間 | 契約縛りなし ※接続サービスにおいて |
解約違約金 | 違約金なし ※接続サービスにおいて |
- フレッツ光回線は別途契約が必要(接続サービスのみ)
- フレッツ光ネクスト(1ギガ)対応
- 固定IPv4アドレス「レンタルIPオプション」提供
- 利用開始月およびその翌月の月額料金無料
※ただし「レンタルIPオプション(固定IP)」契約の場合は適用外 - 契約縛りなし
「v6プラスXコース(10ギガコース)」の料金プランと契約形態
かもめインターネットではフレッツ光クロス(10ギガ)におけるMAP-e(v6プラス)による接続サービスを「v6プラスXコース」として提供しています。
注意点として、接続サービスのみの提供であり回線サービス(フレッツ光クロス回線)は別途NTT東西との契約が必要となります。
「v6プラスXコース」の料金体系・契約形態は以下のようになっています。
費用・契約項目 | かもめインターネット「v6プラスXサービス(10ギガ)」 ※マンション/戸建て |
|
---|---|---|
初期費用 | 契約事務手数料 | 無料 |
新規回線工事費 | 別途NTT東西へ支払う | |
月額費用 | 基本料金 ※接続サービスのみ |
3,080円/月 |
固定IPv4アドレス ※レンタルIPオプション |
1,320円/月 ※グローバルIPv4アドレス(固定)1個 ※初期費用1,100円必要 |
|
フレッツ光回線 基本料金 |
別途NTT東西へ支払う | |
契約形態 | 契約期間 | 契約縛りなし ※接続サービスにおいて |
解約違約金 | 違約金なし ※接続サービスにおいて |
- フレッツ光回線は別途契約が必要(接続サービスのみ)
- フレッツ光クロス(10ギガ)対応
- 固定IPv4アドレス「レンタルIPオプション」提供
- 契約縛りなし
回線サービスは別途契約が必要
「v6プラスコース」「v6プラスXコース」はインターネットへの接続サービスであり、回線サービス(フレッツ光回線)は提供されません。
そのため、利用者は「v6プラスコース」「v6プラスXコース」とは別にNTT東西とのフレッツ光回線契約が必要です。
フレッツ光回線/フレッツ光コラボ回線をご利用中でも使える
また、接続サービスと回線サービスがセットになった「フレッツ光コラボ」をご利用の方も、接続サービスだけを(お試しで)「v6プラスコース」「v6プラスXコース」に変えてみることもできます。
ただし、この場合はお使いのフレッツ光コラボにおいてMAP-eやDS-Liteの「IPv4 over IPV6」を利用していない、という条件があります。
すでにご利用の回線でIPv4 over IPv6をご利用の場合、すでにNTT東西によりONUのMACアドレスがご利用のIPv4 over IPv6事業者(VNE)へ連絡・連携されているため、これを変更するためにはそのVNEの解約(つまりフレッツ光コラボの解約)が必要となります。
フレッツ光コラボをご利用、かつIPv4 over IPv6をご利用でない、という条件で、現在フレッツ光コラボをご利用の方も「v6プラスコース」「v6プラスXコース」を試してみることができます。
契約縛りなし、無料お試しもできる
「v6プラスコース」「v6プラスXコース」には契約縛りがありません。
いつ解約しても解約時に違約金等を請求されることはありません。
注意点として、公式サイトでは「最大2か月無料」の特典キャンペーンが実施されていますが、固定IPv4アドレス(レンタルIPオプション)を利用する場合にはこの特典は適用外となります。
最大の特徴!容量制限なし、速度制限なし
かもめインターネットの大きな特徴として「通信容量の制限なし」「速度制限なし」を公式サイトで明記していることです。
デバイスや通信量が多くても、通信速度が制限されることはありません。
光)回線の契約はそのままで工事不要、プロバイダの乗り換えだけで快適なネット環境を実現できます。(※1)※1)意図的に低下させるような措置(=制限)は実施しておりませんが、ベストエフォートによる提供のため、ご利用環境や全体のご利用状況によって通信速度が上下する場合がございます。
「かもめインターネットの特徴」より抜粋
光回線においても(スマホなどと同様に)実は通信容量制限が設けられているプロバイダーが多く存在し、その事実を明記しているプロバイダーや明記していないプロバイダーがあります。
一般的には「上り(アップロード)通信30GB/日で速度制限」という基準が多いようです。
この点において、かもめインターネットは珍しい「通信容量制限なし」「速度制限なし」を公式サイトで明記しているプロバイダーという点は大きな特徴です。
「v6プラスならどのプロバイダーと契約しても同じ!」はもう古い
かつてv6プラスなどのIPv4 over IPv6が出始めたころは「どのプロバイダーと契約しても、v6プラスなら通信速度ルールはみな同じ」と考えられていました。
そして、実際その通りでした。
しかし、v6プラスも十分に利用者が増えてきた現在、やはり運営元のJPIXでも通信容量の増加に対応する必要が出てきたようです。
事実、JPIXでは比較的通信混雑に弱い回線を「狭帯域サービス」としてプロバイダー各社へ安く提供しています。
※とくとくBB光miniやSo-net minicoなど、安く使えるプラン
つまり、現在のv6プラスはプロバイダーとの個別契約により通信容量の上限や超過時の通信速度をコントロールしています。
「v6プラスならみな同じ」はもはや成り立たなくなっており、その中でかもめインターネットは「通信容量の上限なし」「通信速度の制限なし」を公式に明記している珍しいプロバイダーです。
かもめインターネットで固定IPv4アドレスを使う
「v6プラスコース」「v6プラスXコース」サービスでは上位VNEがJPNE(日本ネットワークイネイブラー)社であり、固定IPv4アドレス(レンタルIPオプション)サービスとして「v6プラス固定IPアドレスサービス」の提供となります。
このため、「v6プラスコース」「v6プラスXコース」サービスを利用するためには、v6プラス固定IPアドレスサービスに対応したルーターが必要です。
無難なルーター選択は「NTTホームゲートウェイ」
v6プラス固定IPアドレス対応のルーターはあまり選択肢がありません。
v6プラス固定IPアドレス対応ルーターの無難な選択として「NTT東西からホームゲートウェイをレンタルする」というのがおすすめです。
光電話をご利用の場合は光電話機器としてホームゲートウェイがレンタルされますが、光電話をご利用でない方でも別途レンタル料を支払うことでホームゲートウェイをレンタルすることができます。
そして、ホームゲートウェイなら「フレッツジョイント」という機能により、固定IPアドレスの設定なども自動で行われます。
無料お試し!インターリンク「ZOOT NATVE(ずっとネイティブ)」
インターリンクは1995年からインターネット接続サービス(ISP事業)を提供している日本のインターネット関連企業です。
接続サービス(ISP事業)だけでなくドメイン登録事業者(レジストラ)としての事業も行っている、日本国内の老舗企業です。
そのインターリンク社が「ZOOT NATIVE(ずっとネイティブ)」というサービス名でIPv4 over IPv6(DS-Lite方式)の接続サービスを提供、上位VNEはJJI系列のインターネットマルチフィード社であり通信方式はTransixがベースとなります。
ZOOT NATIVEが提供する通信サービス
「ZOOT NATIVE」は接続サービスのみであり別途フレッツ光回線の契約が必要です。
言い換えれば、現在フレッツ光回線(NOTフレッツ光コラボ)をご利用の方はお試し気分で「ZOOT NATIVE」をお試しすることができる、ということになります。
ZOOT NATIVEでは「ZOOT NATIVE」と「ZOOT NATIVE IPV4固定IP1個」という2つのサービスを提供しています。
接続サービス | 初期費用 | 月額費用 | 回線サービス |
---|---|---|---|
ZOOT NATIVE | 無料 | 1,100円/月 | 別途NTT東西と契約したフレッツ光回線が必要 |
ZOOT NATIVE IPv4固定IP 1個 |
無料 | 2,200円/月 |
「ZOOT NATIVE」はTransix(DS-Lite方式」によるインターネット接続サービスです。
「ZOOT NATIVE IPV4固定IP 1個」は「Transix固定IPサービス」による固定IPv4アドレス(グローバル)を1個占有できるインターネット接続サービスです。
つまり「ZOOT NATIVE IPv4固定IP 1個」を契約することで、IPv4 over IPv6による高速通信に加えて全65535個の通信ポートが自由自在に操れる固定IPv4アドレスがついてくる、ということです。
よって、本記事の趣旨としての「固定IPv4アドレスが使えるサービス」としては「ZOOT NATIVE IPv4固定IP 1個」のサービスとなります。
ZOOT NATIVE IPv4固定IPの料金プランと特徴
「ZOOT NATIVE IPv4固定IP」は接続サービスのみの提供であり、NTT東西のフレッツ光回線は別途NTT東西と契約する必要があります。
そのうえで、「ZOOT NATIVE IPv4固定IP」の料金体系および契約形態は以下のようになります。
費用・契約項目 | ZOOT NATIVE IPv4固定IP 1個 ※マンション/戸建て |
|
---|---|---|
初期費用 | 契約事務手数料 | 無料 |
新規回線工事費 | 別途NTT東西へ支払う | |
月額費用 | 基本料金 ※接続サービスのみ |
2,200円/月 ※最大2か月間無料 ※フレッツ光ネクスト/クロス対応 |
固定IPv4アドレス | グローバルIPv4アドレス(固定)1個無料 ※基本料金に含む |
|
フレッツ光回線 基本料金 |
別途NTT東西へ支払う | |
契約形態 | 契約期間 | 契約縛りなし ※接続サービスにおいて |
解約違約金 | 違約金なし ※接続サービスにおいて |
- フレッツ光回線は別途契約が必要(接続サービスのみ)
- フレッツ光ネクスト(1ギガ)/クロス(10ギガ)両対応
- 利用開始月およびその翌月の月額料金無料
- 契約縛りなし
回線サービスは別途契約が必要
ZOOT NATIVEはインターネットへの接続サービスであり、回線サービス(フレッツ光回線)は提供されません。
そのため、利用者はZOOT NATIVEとは別にNTT東西とのフレッツ光回線契約が必要です。
フレッツ光回線/フレッツ光コラボ回線をご利用中でも使える
また、接続サービスと回線サービスがセットになった「フレッツ光コラボ」をご利用の方も、接続サービスだけを(お試しで)ZOOT NATIVEに変えてみることもできます。
ただし、この場合はお使いのフレッツ光コラボにおいてMAP-eやDS-Liteの「IPv4 over IPV6」を利用していない、という条件があります。
すでにご利用の回線でIPv4 over IPv6をご利用の場合、すでにNTT東西によりONUのMACアドレスがご利用のIPv4 over IPv6事業者(VNE)へ連絡・連携されているため、これを変更するためにはそのVNEの解約(つまりフレッツ光コラボの解約)が必要となります。
フレッツ光コラボをご利用、かつIPv4 over IPv6をご利用でない、という条件で、現在フレッツ光コラボをご利用の方もお試しでZOOT NATIVEを試してみることができます。
契約縛りなし、無料お試しもできる
ZOOT NATIVEは初期費用(事務手数料等)無料、月額料金2,200円(税込み)で、IPv4固定IPアドレスがついてくるプランです。
そして、利用開始月およびその翌月は月額基本料金が無料という特典もあります。
つまり、現在フレッツ光回線をご利用なら最大二か月の無料お試しで「固定IPv4アドレス」の使い勝手を試してみることができます。
なお、ZOOT NATIVEは契約縛りもないため、無料期間中であってもいつでも解約時の違約金等は発生しません。
インターリンク「ZOOT NATIVE」で固定IPv4アドレスを使う
「ZOOT NATIVE IPv4固定IP」サービスでは上位VNEがインターネット・マルチフィード社であり、サービスとして「transix固定IPアドレスサービス」の提供となります。
このため、「ZOOT NATIVE IPv4固定IP」サービスを利用するためには、Transix固定IPアドレスサービスに対応したルーターが必要です。
ZOOT NATIVE IPv4固定IPサービス対応ルーター | インターリンク
見ていただくとわかる通り、YAMAHAやNECなどの業務用ルーターが多く、安い市販の一般消費者向けとしてはエレコム社のルーターが選択肢となっています。
無難なルーター選択は「NTTホームゲートウェイ」
Transix固定IPアドレス対応のルーターはあまり選択肢がありません。
実質的に上記リストに記載されているエレコム製ルーターからの選択となるでしょう。
また、無難な選択として「NTT東西からホームゲートウェイをレンタルする」というのがおすすめです。
光電話をご利用の場合は光電話機器としてホームゲートウェイがレンタルされますが、光電話をご利用でない方でも別途レンタル料を支払うことでホームゲートウェイをレンタルすることができます。
そして、ホームゲートウェイなら「フレッツジョイント」という機能により、固定IPアドレスの設定なども自動で行われます。
まとめ、「ポート開放が必要な人だけが固定IPv4アドレスを使う時代へ」
本記事では「IPv4アドレスを節約できる通信の仕組み」であるMAP-eやDS-Liteでの問題点と、それを解決する方法として「固定IPv4アドレス」を説明してきました。
そして、「固定IPv4アドレス」を気軽に安価に使えるプロバイダーをご紹介してきました。
IPv6通信でもポート開放はできる(仕組み上)
世界中でIPv4アドレスが枯渇しており、MAP-eやDS-Liteなどの「IPv4アドレスが節約できる仕組み」への移行は必然です。
世の中がIPv4通信へ完全に移行すれば良いのですが、まだまだ世の中の多くのサイト・サービスや通信サービスがIPv4通信の仕組みにより行われています。
この移行期の現在においては「IPv4アドレスを節約する仕組み」は、また「今まで使っていたIPv4のサービスが使えなくなるものもある」というてデメリットがあります。
一般利用には問題がない(はず)
ネットの利用が「ウェブサイトの閲覧」「動画・音楽の視聴」などダウンロード中心の使い方においては、MAP-eやDS-Liteなどの「IPv4アドレスを節約する仕組み」であっても問題は発生しません。
問題が発生するのはIPv4アドレスの特定通信ポートを利用する場合において、問題発生の可能性がある、という点です。
つまり、「現在自宅ルーターでポート開放設定を行っている」という人です。
ポート開放が必要なら「固定IPv4アドレス」を使う
MAP-eやDS-Liteなどの仕組みではポート開放/転送などの機能を完全にそして自由に使うことができません。
そのため、「自宅ルーターでポート開放設定をしている」という方にとってはMAP-e/DS-Liteへの移行により問題が発生します。
この解決策として、「完全に、自由にポート設定したい人だけが固定IPv4アドレスサービスを使う」という使い方になります。
IPv4 over IPv6で固定IPv4アドレスが使えるサービス
IPv4アドレスが枯渇している現在、「IPv4アドレスが節約できる仕組み」への移行は既定路線であり、NURO光に限らず今後多くの通信事業者が同じ道をたどっていくと思われます。
そして、フレッツ光の世界ではすでに10年前からたどってきた道でもあります。
これからのインターネット環境は「多くの人はMAP-eやDS-Liteで問題ない」「問題のある人だけが固定IPv4アドレスを利用する」という環境になっていくと思います。