NURO光は「安い」「速い」「完全なIPv4が使える」と三拍子そろったサービスです。
提供エリアも広がってきておりゲーマーを中心に利用者も急速に増加しています。
そんなNURO光が通信方式を従来のデュアルスタック方式からMAP-e方式へ移行しています。
事前のアナウンスなどもなかったことから、この「従来方式からMAP-eへの移行」が利用者へ不都合を与えている場合があるようです。
この記事ではNURO光の通信方式の変更(MAP-eへの移行)による影響と対応策について検討していきます。
NURO光が通信方式をMAP-eへ順次移行!?
NURO光が通信方式を従来(現在)の「デュアルスタック方式」から「MAP-e方式」へ順次移行しているようです。
ONUの交換や新規導入時だけでなく、ファームウェアの更新による移行も行っており、「今までと使い勝手が変わった!なぜ??」という混乱も起きているようです。
また、順次移行の方式をとっているため、現時点では影響を受けていない方も今後(ある日突然)動作が変わる場合があります。
NURO光の(従来の)通信方式「IPv4/IPv6デュアルスタック」
NURO光の従来(現在)の通信方式は「IPv4 & IPv6デュアルスタック」通信方式です。
デュアルスタック方式では自宅のONU(ルーター)に完全なIPv4グローバルアドレスとIPv6グローバルアドレスが付与されます。
これにより、IPv4による通信はIPv4グローバルIPアドレスにより行い、IPv6による通信はIPv6グローバルIPアドレスにより行います。
ポイントとしては「自宅ONU(ルーター)に完全なIPv4グローバルアドレスが付与されている」という点です。
「完全な」とは1個のIPv4グローバルアドレスと、それに付随する0番から65534番までの全65535個の通信ポートがONU(ルーター)に付与される、ということです。
MAP-e通信方式とは?何が違う?
NURO光では、この従来の通信方式「デュアルスタック方式」から新しい通信方式「MAP-e方式」へ順次移行を進めています。
MAP-eというのは通信方式の国際規格です。
フレッツ光の世界ではすでに「v6プラス」とか「OCNバーチャルコネクト」などのサービス名称で広く使われている通信方式です。
通信方式の大きな特徴として「1個のIPv4グローバルアドレスを複数の契約者(ONU)で共有する」という点であり、その目的はIPv4アドレスの節約です。
先述のように従来方式「デュアルスタック方式」では「完全なIPv4アドレス(1個を占有)」であるのに対し、MAP-e方式では「不完全なIPv4アドレス(複数人で共有)」という点が仕組み的に大きく異なる点です。
MAP-eの「不完全なIPv4アドレス」とは?
ひとつのIPアドレスには0番から65534番までの全65535個のポート番号が紐づいています。
NURO光の従来の通信方式であるデュアルスタック方式(完全なIPv4)では、一つの契約(1台のONU)にこの1個のIPv4アドレスと全65535個のポートが付与され、利用者はすべてのポート番号を自由に使うことができます。
MAP-e通信方式は1個のIPv4アドレスを複数の契約者(複数のONU)で共有し、全65535個のポートを共有するONUへ分割して付与します。
MAP-eの実装(サービス商品)によってさまざまですが、一般的にMAP-eでは1個のIPv4アドレスを128人から256人程度で共有するようです。
この場合、一つの契約(1台のONU)には全65535個のポートのうち120個から240個程度のポートしか付与されません。
また、自分のONUへ割り当てるポート番号を選ぶことはできません。
つまり、MAP-e方式では一つの契約(1台のONU)に対して「1個のIPv4アドレスと120~240程度のポートが割り当てられる」という仕様になります。
これを本記事では「不完全なIPv4アドレス」と表現します。
※なお、多くの場合(使い方)ではポートが制限されていても通信に支障はありません。
MAP-eならIPv4アドレスが節約できる
全65535個のポート番号を分割することで、1個のIPv4アドレスを複数の契約者(ONU)で共有する仕組みがMAP-e通信方式の特徴です。
この仕組みによるメリットは「枯渇しているIPv4アドレスを節約できる」という点になります。
世界中でIPv4アドレスが枯渇しており世界中の国々では国策としてIPv4通信からIPv6通信への移行を進めています。
そしてMAP-e通信方式はIPv4アドレスを複数人で共有し節約することで「ゆるやかにIPv4通信からIPv6通信へ移行する」ための仕組みです。
MAP-eではポート番号が分割配布される
1個のIPアドレスを複数人(複数台のONU)で共有するとインターネット通信はどのONUからの通信かを判断できないので通信が成立しません。
この点について、MAP-eでは1個のIPv4アドレスに付随する全65535個のポート番号を分割して共有者のONUに割り当てることで「IPアドレスとポート番号」でどのONUの通信であるか?と判断します。
一方でMAP-e方式では全65535個のポート番号のうち一部のポートしか割り当てられないため、お使いのサービスによっては通信に必要なポート番号が割り当てられていない場合があります。
このため、NURO光をお使いの方で通信方式がMAP-eへ移行されてしまうと、今まで使っていたサービスや機能が使えなくなった!という状況になってしまいます。
NURO光でポート開放ができなくなった!
このため、デュアルスタック方式からMAP-e方式への移行により、影響を受ける人は「ONU(ルーター)でポート開放設定を行っている人」ということが言えます。
MAP-eでは自宅ONU(ルーター)に分割割り当てされるポート番号を選ぶことができないため、必要なポート番号が割り当てられない場合があります。
また、NURO光が提供しているONU(ルーター)ではMAP-e移行後はONUでのポート開放設定が無効になるようです。
なお、意図的にポート開放していなくても「UPnP機能」による自動ポート開放の機能についても同様で、MAP-eでは該当するポートがONUに割り当てられていない場合にはUPnPも機能しません。
テレワークでL2TP/IPSecが使えなくなった!
また、ONUにポート開放を行っていなくてもお使いのサービス(ソフトウェア)によっては特定ポートを使って通信するものもあります。
この場合はその特定ポートがONUに付与されていない場合には通信できない、という現象も起こります。
テレワークなどで使うことが多いVPN通信(L2TP/IPSec)などが該当します。
L2TP/IPSecでは特別なポート番号(Well-known port)を使って通信します。
※Well-knowポート:0番~1023番までの通信ポート
しかし、MAP-eではこの「特別なポート番号(Well-known port)はすべての契約者に対して割り当てられません。
つまり、MAP-eの環境ではL2TP/IPSecによるVPN通信は利用できない、ということになります。
なお、「IPSec NATトラバーサル」という拡張技術に対応したVPNサーバー環境であれば、MAP-e環境であってもL2TP/IPSecでのVPN通信が可能となります。
この点についてはテレワーク利用などの場合には自社のシステム部門へご確認ください。
MAP-eへの移行手順やスケジュールは?
通信方式がデュアルスタック方式からMAP-e方式へ変わることについて、NURO光では(現時点では)公式なアナウンスが行われていません。
よって、通信方式の移行の手順やスケジュールは?などについては一切不明です。
現在わかっているのは、ONU(ルーター)の新規設置・交換などだけでなく、すでに利用中のONUについてもファームウェアの更新などで順次デュアルスタック方式からMAP-e方式への移行が行われているようです。
現在でもNURO光の利用者の中では混乱している方も多いようですが、今後移行が進むことである日突然「使えなくなった!通信できなくなった!」となることがあるかもしれません。
MAP-e移行は必然?
世界的にIPv4アドレスが枯渇しており、各国は国策としてIPv4通信環境からIPv6通信環境への移行を進めています。
NURO光も例外ではなく、今までは利用者全員に対して1個のIPv4アドレスを付与することができるほどのIPv4アドレスを在庫として持っていたのでしょうが、利用者増加によりそろそろIPv4アドレスの在庫がなくなってきた、ということです。
利用者増加によりIPv4アドレスの在庫がなくなれば従来方式デュアルスタック方式でのサービス提供はできなくなります。
これは時間の問題です。
このため、NURO光も例外なくIPv4アドレスを節約できる通信の仕組みを導入してきた、と言えますし、それがMAP-e方式の導入ということになります。
NURO光の利用者で現在はまだデュアルスタック方式で通信していても、やがて順次MAP-eへの切り替えが進むことで「ある日突然」通信方式がMAP-eへと切り替わると思われます。
NURO光公式サイトのアナウンス
IPv4を主体とする通信方式からIPv6通信への移行は必然であり、NURO光だけの問題ではなくすべてのインターネット通信サービスにおいて同様です。
すでにフレッツ光の世界ではIPv6通信(IPv6/IPoE)が主流となっているし、それ以外のプロバイダーでもやがてIPv4通信からIPv6通信へ移行していくのは当然のことです。
今回、NURO光では事前の告知等無しでの「MAP-eへの移行」を進めたことにより、混乱が起こっています。
そして、(遅ればせながら)NURO光の公式サイトでも「IPv6アドレスへの対応について」が公開されました。
IPv6アドレス対応について | Sonyネットワークコミュニケーションズ
ご提供内容
「NURO 光」ではIPv4のアドレス枯渇対応として、従来の「デュアルスタック方式(*1)」から「MAP-E方式」に徐々にシフトしています。
~中略~
MAP-E方式の場合、下記サービスは利用できなくなります。
- 特定のプロトコル(PPTP、SCTPなど)(※1)を利用するサービス
- 一部オンラインゲームなど、特定ポートを使用(※2)するサービス
- IPv4グローバルアドレスを共有するネットワークでは利用できない(※3)サービス
そのほか、利用可能なポート番号やポート数に制限があるため、外部へサーバ公開をお考えの方はご利用できません(※4)。
「NURO 光」では、上記サービスのサポートは対応しておりません。また、個別の対応はできません(※5)のでご了承ください。
「IPv6アドレス対応について」より抜粋
(※1)特定プロトコルを利用するサービス
「特定のプロトコル(PPTP/SCTPなど)を利用するサービス」は利用できない、と明記されました。
通常のIPv4通信サービスでは1個のIPv4アドレスに対して0番~65534番までの65535個のポートが付随しています。
MAP-eではIPv4アドレスを複数人で共有するため、「65535個のポートを複数人で分割共有」「付与されるポート番号の指定はできない」「0番~1023番(Well known Port)は付与されない」というポート制限があります。
このため、自宅ルーター(ONU一体型)に付与されないポート番号を利用する通信サービスは利用できない、という仕様です。
この仕様はNURO光に限らずフレッツ光のMAP-e通信サービスにおいても同様です。
(※2)一部オンラインゲーム
「一部オンラインゲームなど、特定ポートを使用するサービス」は利用できない、と明記されました。
MAP-eでは全65535個のポートを複数人で分割して共有しています。
よって全ポート(65535個)の利用はできませんが、割り当てられた範囲内でのポート開放/転送は従来同様利用可能です。
ただし、NURO光のONU(ルーター一体型)では通信方式が「MAP-e」となる場合にはルーターの「ポート開放/転送」の設定機能がオフとなるためポート開放/転送ができません。
フレッツ光のMAP-e通信方式でも同様に分割されたポート番号が付与されますが、フレッツ光では自宅ルーターを任意に選べるため、「MAP-eでもポート開放/転送ができるルーター」を選べば付与されたポート番号範囲でのポート開放は可能です。
※NTTがレンタル貸与しているホームゲートウェイなど
つまり、これはNURO光が提供するONU(ルーター一体型)の機能制限による仕様です。
(※3)IPv4グローバルアドレスを共有するサービス
「IPv4グローバルアドレスを共有するネットワークでは利用できないサービス」は利用できない、と明記されました。
この表記は非常に曖昧であり、「その他、MAP-eでは利用できないサービスがあります」と解釈することができます。
MAP-e通信方式は従来のIPv4通信方式から大きく異なる通信方式であるため、IPv4通信をベースとするさまざまな通信サービスの中ではMAP-eでは動作しないものもたくさんあります。
それらをひとつひとつ取り上げて「~は使用できません」とは記載できないため、まとめて「MAP-eで利用できないサービスは利用できません」という表記になっていると思われます。
(※4)外部へサーバー公開
「外部へサーバー公開」は利用できない、と明記されました。
これは「(※2)一部オンラインゲームは利用できない」と同じことです。
MAP-eでは全65535個のポートのうち一部のポートが自宅ONUに分割付与されるので、付与されたポート番号範囲内でポート開放設定を行うことで「外部から自宅へ接続」する環境を構築することができます。
しかし、NURO光が提供するONU(ルーター一体型)では通信方式がMAP-eとなった場合にはポート開放/転送の設定機能が無効となります。
これにより、外部(インターネット側)から自宅ネットワークへ接続するサーバー公開ができない、ということです。
自宅でのVPNサーバーやゲームサーバーの設置、赤ちゃんやペットなどの見守りカメラの利用、これらも含めて「サーバー公開はできません」と明記されました。
(※5)個別対応はできない
「(MAP-e移行により使えなくなった機能について)個別対応はできない」と明記されました。
2024年1月くらいからNURO光は順次MAP-eへの移行を始めました。
ネット上では「今まで使っていたサービスがMAP-eでは使えない!」との連絡(クレーム?)を入れると「従来方式(デュアルスタック方式)へ戻してくれた」という報告もあります。
しかし、現在は「MAP-e移行は必須です、個別対応はできません」との回答になっているようです。
フレッツ光に学ぶMAP-e通信方式のアレコレ
MAP-e通信方式はフレッツ光回線の世界ではすでに広く利用されている通信方式です。
JPNEが提供する「v6プラス」やOCNが提供している「OCNバーチャルコネクト」などがMAP-e通信規格に準拠している通信サービス商品です。
この章ではすでにMAP-eが標準サービスとなっているフレッツ光回線のサービス内容から、MAP-eの仕様を見てみましょう。
使えるポートの制限
MAP-eでは1個のIPv4アドレスを複数の契約者で共有する(同じIPv4アドレスを使う)ことでIPv4アドレスを節約します。
しかし、単純に同じIPv4アドレスを複数のONU(ルーター)へ割り当てるとどの通信がどのONUからの通信なのかがわからず、通信サービスが成立しません。
このため、同じIPv4アドレスを割り当てるONUごとに全65535個のポート番号を分割して割り当てることで、「このIPv4アドレスのこのポート番号はこのONUの通信だ!」と判断します。
分割されるポート番号は0番~65534番まで番号が割り当てられているため、MAP-eで分割付与されるポート番号はどのポート番号が割り当てられるのかわかりません。
※割り当て後には調べればわかります
なお、IPアドレスには0番から1023番までのポート番号は「Well-knownポート」と言ってIP通信の特別な使用目的として予約されています。
このWell-knownポートについてはすべての共有者に対して割り当て外となります。
※Well-knownポートは割り当てられない
フレッツ光のMAP-eではどのポートが割り当てられる?
フレッツ光のMAP-eは複数のVNE(IPv6接続事業者)がそれぞれのサービスとして提供しており、「v6プラス」や「OCNバーチャルコネクト」など複数の通信サービス商品があります。
基本的な仕様はMAP-eの規格で決まっていますが、細かい部分の実装はサービス商品により異なります。
v6プラスでは1台のONUに全65535個のうち240個のポートが割り当てられます。
また、OCNバーチャルコネクトの場合には1,008個のポートが割り当てられます。
どちらも「何番のポートが欲しい」と希望することはできませんし、VNEのメンテナンスなどにより割り当てられるポート番号が変更になる場合もあります。
NURO光のMAP-eではどのポートが割り当てられる?
現時点でNURO光のMAP-eが1個のIPv4アドレスを何人で共有しているのか?の情報は持ち合わせていません。
よって、1台のONUに割り当てられるポート数もわかりません。
この点については、まだNURO光ではMAP-eへの移行が始まったばかりなので今後の情報収集をしたいと思います。
MAP-eなら付与されたポートの開放はできないのか?
MAP-eでは全65535個のすべてのポートが割り当てられることはなく、複数人で分割して割り当てが行われます。
先述のようにフレッツ光回線の「v6プラス」では256人で分割しており全65535個のうち240個のポートがONU/ルーターへ割り当てられます。
では、割り当てられた分のポートに対してポート開放や転送の設定はできないのか?という問題になります。
フレッツ光のMAP-eではポート開放できる?
フレッツ光のMAP-eでは割り当てられた一部のポートに対してポート開放できる場合もあるしポート開放できない場合もあります。
これはMAP-eの問題・違いではなく、ルーターの機能の問題です。
フレッツ光ではONUとルーターが一体型・分離型が提供されており、配下にはNTTからレンタルしたHGW(ホームゲートウェイ)や自分の好きなルーターを使うことができます。
MAP-eで割り当てられた一部ポートに対してポート開放できるかどうかはこのルーターの機能の問題となります。
つまり、フレッツ光のMAP-eでは「MAP-e通信方式でポート開放設定ができる」というルーターを使うことで、MAP-e方式であっても個別にポート開放ができます。
MAP-e方式でもポート開放ができる代表的なルーターはNTTからレンタルするHGW(ホームゲートウェイ)です。
NURO光のMAP-eではポート開放できる?
NURO光のMAP-eでは割り当てられた一部ポートのポート開放は(現在のところ)できません。
先述のようにMAP-eで一部ポートに対するポート開放設定はルーターの機能です。
NURO光では提供されるONU/ルーター一体型のONUが必須となっており、そして(現時点では)通信方式がMAP-eとなるとポート開放設定ができません。
※将来的なファームウェアによる仕様変更に期待・・・
フレッツ光回線のMAP-eでポート開放が必要ならどうする?
NURO光でもフレッツ光でもMAP-e方式による通信では「IPv4アドレス共有者間でポートは分割して付与される」という仕組みは同じです(共有人数はわかりません)。
フレッツ光のMAP-e方式であるv6プラスでは、「v6プラス固定IPオプション」というオプションサービスを提供しています。
つまり標準的なMAP-e通信の仕組みとは別に、「完全なIPv4アドレスを1個付与」してくれるオプションサービスです。
この「v6プラス固定IPオプション」を利用することで、従来通り「完全なIPv4通信環境」となり全65535個のポートを自由に使える環境となります。
ただし、フレッツ光の世界ではこの「v6プラス固定IPオプション」を提供しているプロバイダーは少なく、また結構高額なオプションとなっています。
フレッツ光およびフレッツ光クロス(10ギガサービス)で最安で固定IPv4アドレスが使えるのは株式会社縁人が提供する「enひかり/enひかりクロス」です。
NURO光のMAP-eでポート開放が必要ならどうする?
フレッツ光回線のMAP-eでは「固定IPv4アドレスオプション」「ポート開放可能なルーター環境」によって、MAP-e方式であってもポート開放/転送の仕組みを構築することはできる、ということになります。
では、NURO光のMAP-eではどうでしょうか?
現時点で分かっている情報をまとめると、NURO光のMAP-e方式では「固定IPv4アドレスは提供されない」「MAP-e通信モードではONU(ルーター一体型)でポート開放設定ができない」という状況です。
「固定IPv4アドレスオプション」については、将来的には提供されるようになるかもしれません。
また、NURO光が提供している一体型ONUでもファームウェア更新によってMAP-e通信モードでポート開放ができるようになるかもしれません。
しかし、現時点では「固定IPv4アドレスは提供されない」「ONUはMAP-eモードではポート転送設定できない」ということになります。
つまり、NURO光のMAP-e通信方式では現時点では個別にポート開放することはできません。
また、現時点ではNURO光が同様のIPv4固定アドレスオプションを提供する、という情報はありません。
NURO光でポート開放できない!さぁ、どうする?
フレッツ光と同じでNURO光がデュアルスタック方式からMAP-e方式へ移行したとしても、おそらく多くの利用者には問題がありません。
たとえばネットの利用が「ウェブ閲覧」「動画・音楽の視聴」などのダウンロード中心の使い方をしている方には影響がありません。
しかし、「外出先から自宅ネットワークへ接続したい」「特定の通信サービスやゲームなどでポート開放が必要」という方にとっては、MAP-e移行は致命的な問題となります。
多くの人はMAP-eでも問題がないのです、一部の人がMAP-eでは困るのです。これはNURO光だけではなくフレッツ光でも同じです。
NURO光のMAP-e移行は「改悪」ではなく「必然」
すでに説明したように、NURO光の「デュアルスタック方式からMAP-e方式への移行」はサービス改悪ではなく世の中の流れにおいて必然的なものです。
世界中でIPv4アドレスが枯渇しておりIPv6通信への移行が急務となっている中で、よりIPv4アドレスを節約できるMAP-e方式への移行はインターネットの世界では当然のことです。
もともとNURO光はIPv4アドレスの在庫が少ない?
NURO光では特定のサイトへつながらない、という事象がこれまでも起こっていました。
特に金融系のサイトなどで接続拒否された、などの事象です。
これはNURO光が海外発行のIPv4アドレスを使っている場合に起こることがわかっています。
つまり、NURO光はもともと「あまり多くのIPv4アドレスを在庫として持っていない」と言われていました。
フレッツ光ではすでにMAP-eが主流
必然性の理由はちょっと異なるのですが、フレッツ光の世界ではすでにMAP-eやDS-Liteなどの「IPv4 over IPv6」による通信方式が主流です。
つまり、NURO光のMAP-e移行は「未知の世界」ではなく、すでにフレッツ光の世界で通ってきた道でもあります。
当然、現在のNURO光と同じように「ポート開放は?」「サーバー公開は?」などの問題もありましたが、徐々に解決されてきています。
完全なIPv4通信ができる「固定IPv4アドレスオプション」
MAP-eやDS-Liteなどの「IPv4 over IPv6」通信方式の目的は「IPv4アドレスを節約する」です。
このため、MAP-eやDS-Liteでは自宅ルーター(ONU)に「完全なIPv4アドレス」が付与されません。
「完全なIPv4アドレス」とは「1個のIPv4アドレスと0番から65534番までの全65535個の通信ポート」ということです。
この「完全なIPv4アドレスが付与されない」仕組みであるため、MAP-eやDS-Liteでは「特定ポートの解放が自由にできない」「Well-knownポートを利用する通信サービスは利用できない」という制限がでてしまいます。
IPv4 over IPv6でも「完全なIPv4アドレス」が使える
v6プラス(MAP-e)では「v6プラス固定IPアドレスオプション」というサービスを提供しています。
同様にTransixやクロスパス(DS-Lite)でもそれぞれの通信サービスに対して「固定IPv4アドレスオプション」を提供しています。
これはMAP-eやDS-Liteの仕組みの上でも「完全なIPv4アドレス」が使えるようになるオプションサービスです。
MAP-eやDS-Liteの環境においても「固定IPv4アドレス」を利用することで、自宅ルーター(ONU)には「1個のIPv4アドレスと全65535個の通信ポート」が割り当てられ、今までのIPv4通信と全く同じ環境を構築することができます。
NURO光で「固定IPv4アドレスオプション」は使える?
フレッツ光の世界では「v6プラス固定IPアドレス」「Transix固定IPアドレス」「クロスパス固定IPアドレス」など、MAP-eやDS-Lite環境でも「完全なIPv4アドレス」が使える仕組みが提供されています。
この仕組みを使うことで、高速通信「IPv4 over IPv6」であっても従来通りのIPv4通信サービスを完全に利用することができます。
では、NURO光が移行しているMAP-e環境では固定IPv4アドレスは提供されているのでしょうか?
現時点では、NURO光はMAP-e環境での固定IPv4アドレスオプションを提供していません。
また、今後提供するという情報もありません。
ポート開放が必要な人だけが固定IPv4アドレスを使う時代へ
IPv4によるPPPoE通信方式でもIPv4/IPv6デュアルスタック方式でもMAP-eなどの「IPv4 over IPv6」でも、通信方式が変わっても影響を受けない人もたくさんいます。
「ウェブサイトやサービスを利用(閲覧)する」「動画や音楽を視聴する」などといった、ダウンロード中心の使い方をする場合においては通信方式に関係なく、MAP-eでも全く問題はありません。
「自宅を外部(インターネット)へ公開する(サーバー公開)」「特定のサイトやユーザーと相互通信する」などの使い方の場合には、ポート開放や「完全なIPv4アドレス」の機能が必要となり、このような使い方においてはMAP-eは少々不便な仕組みとなります。
よって、フレッツ光の世界ではすでに「ポート開放したい」「完全なIPv4アドレスが欲しい」という場合において、MAP-e通信方式に加えて「固定IPv4アドレス」による「完全なIPv4通信も可能」な環境を構築することが主流となってきています。
つまり、「通常利用はMAP-eでも問題がない」「必要な人だけが固定IPv4アドレスを使う」という使い方になってきている、ということです。
- 一般的なダウンロード中心の使い方ならMAP-eでも問題ない
- そのうえで「完全なIPv4が必要」な人だけが固定IPv4アドレスを使う
MAP-eで固定IPv4アドレスが使える「enひかり」
「完全なIPv4アドレスが必要な人だけが固定IPv4アドレスを使う」という点において、NURO光が「固定IPv4アドレスオプション」を提供してくれると現状の問題は解決するでしょう。
しかし、現時点ではNURO光が固定IPv4アドレスをオプション提供する気配はありません。
また、フレッツ光の世界においてもMAP-eやDS-Lite上で動作する固定IPv4アドレスは法人向けサービスが主流であり、個人が簡単に導入できるものではありません。
個人で固定IPv4が安く使えるのは「enひかり」
そんな中で、個人でも気軽に(安価に)MAP-eやDS-Lite上で動作する固定IPv4アドレスをオプション提供しているのが「enひかり」というフレッツ光コラボです。
「株式会社縁人」という会社が提供している「enひかり」は早く(2018年ごろ)から「MAP-eやDS-Liteを選べる」「固定IPv4アドレスもオプション提供」という先進的なサービスを提供しおり、業界最安級のコストや契約縛りのない契約形態などもあって現在非常に人気の高いフレッツ光コラボとなっています。
NURO光よりも早くからMAP-eやDS-Liteへ移行しているフレッツ光の世界においても、個人が気軽に(安価に)固定IPv4アドレスが使えるのは「enひかり」だけです。
- 早くから(2018年ころ)MAP-eやDS-Liteが選べる自由度の高いサービスを提供
- さらに(実質的に)唯一の個人が気軽に利用できる固定IPv4アドレスを提供
- フレッツ光コラボ最安級の低価格
- 10ギガサービス「enひかりクロス」も使える
- 契約縛りがない
- ahamo・povo・UQモバイルとのセット割引もある
「enひかり(1ギガコース)」の料金プランと特徴
enひかりは「最安級の月額料金」「縛りのない契約形態」で人気のフレッツ光コラボです。
それだけではなく、早くから通信サービスにおいても独自性を見せており「高速通信が選べる」「固定IPアドレスオプションも使える」という他社プロバイダーではあまりない独自のサービスが魅力です。
enひかり(1ギガコース)の料金体系・契約形態は以下のようになります。
enひかり(1Gプラン) | |||
---|---|---|---|
戸建てプラン | マンションプラン | ||
初期費用 | 契約事務手数料 | 2,200円(転用・事業者変更) 3,300円(新規) |
|
新規回線工事費 | ~16,500円 ※「新規」のみ ※「転用・事業者変更」の場合は工事不要 |
||
固定IPオプション 初期費用 |
2,200円 ※回線契約時なら無料 |
||
月額費用 | 基本料金 | 4,620円/月 | 3,520円/月 |
IPv6オプション | 198円/月 ※v6プラス/Transix/クロスパス |
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固定IPオプション(IPv4) | 770円/月 ※v6プラス固定IP/クロスパス固定IP |
||
ホームゲートウェイ レンタル |
220円/月(無線機能なし) 330円/月(無線機能あり) ※希望者のみ ※v6プラス固定IP/クロスパス固定IP対応 |
||
割引 特典 |
勝手に割り | 月額110円/月の基本料金割引 ※UQモバイル利用者 ※ahamo利用者 ※LINEMO利用者 |
|
ルーター大特価販売 |
|
||
契約形態 | 契約期間 | 契約縛りなし | |
解約時違約金等 | 解約時違約金等なし |
enひかりでは標準の通信方式として「IPv4/PPPoE」が提供されますが、enひかり申し込み時に高速通信「IPv4 over IPv6」をオプション契約することができます。
独自性として、「v6プラス(MAP-e)」「Transix(DS-Lite)」「クロスパス(DS-Lite)」の中からお好きなオプションを選ぶことができます。
※特に選択の理由がない場合には「v6プラス(MAP-e)」を選ぶとよいでしょう。
さらに「v6プラス」「クロスパス」を選択した場合には「固定IPv4アドレスオプション」も追加オプション契約することができます。
※Transixでは固定IPアドレスは提供されません。
「enひかり(1ギガコース)」で固定IPv4アドレスを使う
enひかり(1ギガコース)でMAP-eおよびMAP-e向けの固定IPv4アドレスを使う場合の説明をします。
料金について
まず、enひかりでMAP-e(v6プラス)と固定IPv4アドレスを使うためにはそれぞれをオプション契約する必要があります。
必須オプション | 初期費用 | 月額費用 | 備考 |
---|---|---|---|
高速通信オプション | 2,200円 | 198円/月 | 以下から好きなのが選べる
|
固定IPアドレス オプション |
2,200円 | 770円/月 |
高速通信サービスとして「v6プラス」「Transix」「クロスパス」が選べますがTransixは固定IPv4アドレスが利用できません。
一般的には「v6プラス(MAP-e)」を選ぶとよいでしょう。
また、高速通信オプションおよび固定IPv4アドレスオプションの初期費用2,200円は、通信サービス(enひかり)の契約と同時にオプション申し込みすると無料となります。
固定IPアドレス対応ルーター
v6プラス(MAP-e)やクロスパス(DS-Lite)の固定IPv4アドレスオプションを利用するためには、それぞれに対応したルーターが必要です。
実は「v6プラス固定IP対応/クロスパス固定IPv4対応」のルーターはあまり選択肢がありません。
無難な選択としてはフレッツ光ではおなじみの「ホームゲートウェイ(HGW)」を月額220円でレンタルすることです。
また、光電話をご利用の場合にはホームゲートウェイが必須機器としてレンタルされるので、そのホームゲートウェイが「固定IPv4アドレス対応ルーター」となります。
また、ご自分でルーターを購入したい場合には、enひかりが実施中の「ルーター大特価キャンペーン」を利用して「ELECOM WRC-1167GS2H-B(1,320円)」を購入するとよいでしょう。
「enひかりクロス(10ギガコース)」の料金プランと特徴
enひかりではフレッツ光クロス(10ギガ回線サービス)を使った「enひかりクロス」を提供しています。
1ギガコースの「enひかり」と同様に「最安級の月額料金」「縛りなしの契約」に加えて現在フレッツ光クロス回線の新規引き込み工事費も無料となるキャンペーン実施中です。
「enひかりクロス(10ギガコース)」の料金体系・契約形態は以下のようになります。
enひかりクロス(10Gプラン) | |||
---|---|---|---|
戸建てプラン | マンションプラン | ||
初期費用 | 契約事務手数料 | 2,200円(転用・事業者変更) 3,300円(新規) |
|
新規回線工事費 | ~16,500円 ※「転用・事業者変更」でも工事必要 ※現在「工事費無料キャンペーン」にて無料 |
||
固定IPオプション 初期費用 |
2,200円 ※回線契約時なら無料 |
||
月額費用 | 基本料金 | 5,445円/月 | 5,445円/月 |
IPv6オプション | 0円/月(基本料金に含む) ※v6プラス/クロスパス |
||
固定IPオプション(IPv4) | 770円/月 ※v6プラス固定IP/クロスパス固定IP |
||
ホームゲートウェイ レンタル ※XG-100NE |
550円/月(無線機能あり) ※希望者のみ ※v6プラス固定IP/クロスパス固定IP対応 |
||
割引 特典 |
勝手に割り | 月額110円/月の基本料金割引 ※UQモバイル利用者 ※ahamo利用者 ※LINEMO利用者 |
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ルーター大特価販売 |
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契約形態 | 契約期間 | 契約縛りなし | |
解約時違約金等 | 解約時違約金等なし |
1ギガコースの「enひかり」とのサービス面における違いとして、高速通信「IPv4 over IPv6」は標準サービスとして提供される、という点があります。
enひかりクロスでは高速通信サービスとして「v6プラス(MAP-e)」「クロスパス(DS-Lite)」のどちらかお好きな方を選ぶことができますが、これらは標準サービスとして(無料で)提供されます。
また、enひかりと同様に「v6プラス固定IPアドレスオプション」「クロスパス固定IPアドレスオプション」もオプション提供(770円/月)されます。
「enひかり(10ギガコース)」で固定IPv4アドレスを使う
enひかりクロス(10ギガコース)でMAP-eおよびMAP-e向けの固定IPv4アドレスを使う場合の説明をします。
料金について
まず、enひかりクロスでMAP-e(v6プラス)と固定IPv4アドレスを使うためにはそれぞれをオプション契約する必要があります。
必須オプション | 初期費用 | 月額費用 | 備考 |
---|---|---|---|
高速通信オプション | 2,200円 | 0円/月(無料) ※基本料金に含まれる |
以下から好きなのが選べる
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固定IPアドレス オプション |
2,200円 | 770円/月 |
高速通信サービスとして「v6プラス」「クロスパス」が選べますが、どちらを選んでも月額料金は無料(標準サービス)です。
一般的には「v6プラス(MAP-e)」を選ぶとよいでしょう。
また、高速通信オプションおよび固定IPv4アドレスオプションの初期費用2,200円は、通信サービス(enひかり)の契約と同時にオプション申し込みすると無料となります。
固定IPアドレス対応ルーター
v6プラス(MAP-e)やクロスパス(DS-Lite)の固定IPv4アドレスオプションを利用するためには、それぞれに対応したルーターが必要です。
実は「v6プラス固定IP対応/クロスパス固定IPv4対応」かつ「通信速度10GbE対応」のルーターはあまり選択肢がありません。
無難な選択としてはフレッツ光ではおなじみの「ホームゲートウェイ(HGW)」を月額550円でレンタルすることです。
また、光電話をご利用の場合にはホームゲートウェイが必須機器としてレンタルされるので、そのホームゲートウェイが「固定IPv4アドレス対応ルーター」となります。
また、ご自分でルーターを購入したい場合には、enひかりクロスが実施中の「ルーター大特価キャンペーン」を利用して「I-O DATA WN-DAX6000XR(22,000円)」を購入するとよいでしょう。
enひかりクロス工事費無料キャンペーン
現在enひかりクロスでは新規でのフレッツ光クロス回線を引き込むための工事費が無料となるキャンペーンを実施中です。
NURO光からの乗り換えだとフレッツ光回線を新規引き込みとなりますが、もし自宅・自室がフレッツ光クロスの対応エリアであれば、基本料金はenひかり(1ギガコース)よりもちょっと高くなりますが工事費が無料になる特典を考慮すると「enひかりクロス(10ギガコース)」も検討してみてはどうでしょうか?
enひかりで固定IPv4アドレスを使う
フレッツ光やNURO光だけでなく、世の中のインターネット通信サービスでは従来の通信方式から新しい(IPv4アドレスを節約できる)通信方式へ移行していきます。
世界中でIPv4アドレスが枯渇しており、このままではインターネット上のサービスが使えなくなってしまいます。
そのため、余裕のあるIPv6アドレスによる通信サービスへの移行は必然的なものです。
フレッツ光はすでにMAP-eやDS-Liteなどの「IPv4 over IPv6」通信方式によるIPv4アドレスの節約が主流となっており、今回のNURO光のMAP-e移行もフレッツ光が辿ってきた道と同じことが起きています。
そして、フレッツ光の世界ではすでに「必要な人だけが固定IPv4アドレスを使う」という使い方へと移ってきています。
その環境が安く・簡単に手に入るのがenひかりです。
enひかりで固定IPv4アドレスを使う
enひかりは個人向けの光回線サービスとして固定IPv4アドレスを提供している数少ないプロバイダーです。
しかもフレッツ光コラボ最安級の月額料金や契約縛りなしの契約形態など基本的な通信サービスとしての魅力も大きなサービスです。
「enひかりで固定IPv4アドレスを使う」という点において、enひかりの提供するサービスに加えて固定IPv4対応ルーターの選び方や設定に関する説明は以下の記事を参考にしてみてください。
また、enひかりのフレッツ光コラボとしての基本的なサービス・魅力については以下の記事でまとめているので、こちらも参考にしてみてください。
ソフトバンク光なら標準でIPv4固定アドレスが使える
完全なIPv4アドレスを「固定IPアドレスオプション」として使うことで、自宅ルーター(ONU)でのポート開放/転送設定やWell-knownポート利用が自由自在となります。
フレッツ光の世界で気軽に固定IPv4アドレスオプションを利用できるおすすめプロバイダーは先述のように「enひかり/enひかりクロス」となります。
一方で、同じように気軽に固定IPv4アドレスが利用できる通信サービスに「ソフトバンク光」があります。
キャッシュバックや月額料金割引などの派手なキャンペーンを利用したい場合には、ソフトバンク光を利用するという手もあります。
IPv4 over IPv6で固定IPv4アドレスを使う仕組み
enひかりでは「v6プラス固定IPアドレスオプション」「クロスパス固定IPv4アドレスオプション」を提供しており、気軽に固定IPv4アドレスを利用することができます。
ここで「v6プラス」という通信サービスはMAP-e通信規格に準拠したサービスであり、「クロスパス」という通信サービスはDS-Lite通信規格に準拠したサービスです。
しかし、「v6プラス固定IP」「クロスパス固定IP」となると通信規格は「IPIPトンネリング」という別の通信方式によりサービス提供されています。
この「IPIPトンネリング」という通信規格を用いることでIPv4 over IPv6でありながら自宅ルーターに完全なIPv4アドレスを付与することができる仕組みになっています。
ソフトバンク光の「IPv6高速ハイブリッド」通信方式
ソフトバンク光では標準提供のIPv4 over IPv6として「IPv6高速ハイブリッド」という通信サービスを提供しています。
この「IPv6高速ハイブリッド」通信方式はMAP-e規格でもDS-Lite規格でもなく、先述の「IPIPトンネリング」による通信サービスとなります。
つまり、ソフトバンク光「IPv6高速ハイブリッド」通信なら標準で固定IPv4アドレスが使える、というメリットがあります。
ソフトバンク光の「IPv6高速ハイブリッド」を使った「完全なIPv4アドレス」利用については別記事でご紹介しているので、参考にしてみてください。
まとめ、NURO光のMAP-e移行は他人事じゃない!
NURO光の通信方式が従来のデュアルスタック方式からMAP-e方式へ移行しはじめたことで、困惑している方も多いと思います。
今回のNURO光の通信方式変更(移行)はサービス悪化などではなく、IPv4アドレスの枯渇による「IPv4通信からIPv6通信への移行」において当然のことです。
国内最大の利用者を持つフレッツ光でもすでに10年前に通ってきた道だと言えます(ちょっと状況は異なりますが・・・)。
IPv4からIPv6への移行は必須事項
本記事で理解してほしいのは今回のNURO光の通信方式移行は「やらなければならないこと」であり「サービス劣化」ではない、ということです。
移行に対する告知などのアクションがない、などNURO側の姿勢には問題があるのかもしれません。
しかし(それは置いておいて)従来方式からMAP-eなどIPv4アドレスを節約できる通信方式への移行はいつかからなずやらなければならないことです。
デュアルスタック方式は徐々に移行していく!?
世界中でIPv4通信からIPv6通信への移行が進められている中で、現在「完全なIPv4アドレス」を提供しているサービスもいつかはIPv4アドレスを節約できるMAP-eのような通信方式へ移行していくのは既定路線だと思われます。
この点を考えると、移行先として他社のデュアルスタック方式サービスを選ぶのは「また、いつかIPv4アドレスを節約できる方式へ移行するだろう」という懸念があります。
また、すでに新しい通信方式「IPv4 over IPv6」へ対応しているソフトバンク光においても、潤沢なソフトバンクグループのIPv4アドレス在庫があるからできることです。
いつ、現在の通信方式が変更されるかわかりません。
IPv6移行の最終形態は「固定IPv4アドレス」
こう考えると、IPv4通信からIPv6通信への移行の最終系は固定IPv4アドレスオプションではないか?と思います。
基本的な通信サービスはMAP-eやDS-LiteなどのIPv4アドレスが節約できる通信方式を利用しながら、「完全なIPv4アドレス」が必要な人だけが別途「固定IPv4アドレス」をオプション利用する、という形態です。
よって、これからもずっと続くであろう「IPv4通信からIPv6通信への移行」を長い目で見るなら、MAP-eやDS-Liteの通信方式にオプションで(必要な人だけ)「固定IPアドレス」という組み合わせが良いのではないでしょうか?
どんな人が「固定IPv4アドレス」が必要?
NURO光のように「IPv4 & IPv6デュアルスタック方式」からMAP-eのような「IPv4アドレスが節約できる通信方式」へ移行しても、多くの人には影響がありません。
影響を受ける使い方をしている方のみが別途IPv4固定アドレスの利用を検討すると良いでしょう。
ルーターにポート開放設定を行っている人
現在NURO光のONUにおいて「ポート転送」の設定を行っている人は通信方式の移行により影響を受けます。
MAP-eでは自宅のONUにIP通信で利用する全65535個のポートのうち、一部のポートしか付与されません。
MAP-eの通信としては、この割り当てられている一部のポートを利用し、そのポートに対して転送設定を変更することで同じように通信できます。
たとえばマイクラサーバーを設置してポート開放している場合、MAP-eで割り当てられているポートへマイクラサーバーの待ち受けポート番号を変更し、そのポート番号に対してポート解放設定を行えばいいだけです。
しかし、NURO光が提供しているONUではMAP-e方式へ移行するとポート開放設定自体ができなくなってしまいます。
よって、MAP-eの問題というよりもONUの機能制限により、「現在ONUでポート開放設定を行っている人は影響を受ける」となります。
※この点については、今後のONUのファームウェア更新に期待したいところです。
テレワークなどでL2TP/IPSecを使っている人
テレワークで多く使われているVPNプロトコルであるL2TP/IPSecはMAP-e方式では利用できません。
L2TP/IPSecは通信において「Well-knownポート」と呼ばれるIP通信の予約ポートを利用しており、ソフトウェア側でこのポートを変更することはできません。
そして、MAP-e方式ではこの「Well-knownポート(0番~1023番)」はすべての契約者に対して付与されないポート範囲です。
よって、MAP-e環境ではL2TP/IPSecによるVPNサービスを利用することはできません。
同様に、一部のソフトウェアでWell-knownポートを強制利用しているサービスもMAP-e環境では利用できません。